「『人生100年時代といいますが、大事なのは、病気に悩まされないで生活できる期間、つまり『健康寿命』を延ばすことです。そのためには、現時『点』」での体調だけで健康を考えるのではなく、先々まで見すえた『線』で考えるべきなのです。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、京都大学医学部卒業、京都大学大学院医学研究科博士課程修了、2015年に同大大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授に就任して、現在は国立長寿医療研究センター理事長の荒井秀典さんが書いた、こちらの書籍です。
荒井秀典『40歳からの健康年表』(文春新書)
この本は、40歳代から80歳代までの年代ごとに、気を付けるべき病気について触れ、とくに40歳代や50歳代では、基礎疾患が将来、どのような病気を招くのか、繰り返し触れている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.40歳代-老化の加速がはじまる年代
2.50歳代-三大疾病のリスクが高まる年代
3.60歳代-健康状態の曲がり角
4.70歳代-人生の一大事が増える時期
5.80歳代-頼りになるのは体力
この本の冒頭で著者は、「人生100年時代において、少しでも長く健康でいられるようにするためには、病気にならない、または、なっても軽いうちに治しておくのが得策です。」と述べています。
そのために、老化のカーブを緩やかにするように、40歳代では「悪い生活習慣」をあらため、深刻な病気をもたらす「基礎疾患」を以下の通り取り上げています。
◆ 高血圧
◆ 脂肪肝
◆ 痛風、高尿酸血症
◆ メタボリックシンドローム
◆ 心筋梗塞
◆ 尿路結石
◆ 乳がん
◆ 難聴
◆ メニエール病
◆ 緑内障
◆ 眼瞼下垂
◆ 歯周病
◆ 糖尿病
◆ COPD(慢性閉塞性肺疾患)
続いて、50歳代では「三大疾病」を中心に、次の病気を挙げています。
◆ 胃がん、肺がん、大腸がん
◆ 脳梗塞、くも膜下出血
◆ 糖尿病、糖尿病網膜症
◆ 若年性認知症
◆ 骨粗しょう症
◆ 睡眠時無呼吸症候群
◆ 突発性難聴
◆ パーキンソン病
◆ 加齢黄斑変性
次に、60歳代として生活環境が変わり、健康状態の曲がり角になるとして、以下の病気を挙げています。
◆ 心筋梗塞、狭心症
◆ 脳出血
◆ 肝臓がん、膵臓がん、前立腺がん
◆ 軽度認知障害
◆ 加齢性難聴
◆ オーラルフレイル
◆ メニエール病、骨粗しょう症、眼瞼下垂
本書の後半で70歳代では、ライフイベント(=人生の一大事)が起こる時期として、最も多くの病気を以下の通り、紹介・解説しています。
◆ 認知症、アルツハイマー型認知症。レビー小体型認知症、血管性認知症
◆ 不整脈、心房細動、心室細動、心室頻拍、房室ブロック、弁膜症、脳梗塞
◆ アミロイド・アンギオパチー
◆ 誤嚥性肺炎
◆ COPD(慢性閉塞性肺疾患)
◆ 慢性腎臓病
◆ 白内障
◆ 前立腺肥大症、膀胱炎
◆ てんかん
最後に80歳代については、老年症候群を抱える年代として、次の病気を挙げています。
◆ フレイル、サルコペニア、老年症候群
◆ 無痛性心筋梗塞
◆ 口内のメインテナンス
これ以外に本書では、各年代に「コラム」として、生活習慣や人間ドック活用法など、知っておいた方がいい知識を紹介し、健康維持に参考になります。
あなたも本書を読んで、人生100年時代において「健康寿命」を延ばすために、先を見据えた備えを心掛けてみませんか。
2020年6月23日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第134回】人生100年時代に大切な「40歳からの健康年表」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!