「遠い未来のほうが見通しやすい面もある。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1940年生まれ、東京大学工学部卒業、大蔵省入省、イェール大学ph.D.取得、一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任、現在は一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さんが書いた、こちらの書籍です。
野口悠紀雄『2040年の日本』(幻冬舎新書)
この本は、基本となるシナリオを持ち、それを新しい情報を取り込んで修正し、10~20年後の経済を予測した書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.1%成長できるかどうかが、日本の未来を決める
2.未来の世界で日本の地位はどうなるか
3.増大する医療・介護需要に対処できるか
4.医療・介護技術は、ここまで進歩する
5.メタバースと無人企業はどこまで広がるか
6.自動運転とEVで生活は大きく変わる
7.再生可能エネルギーで脱炭素を実現できるか
8.核融合発電、量子コンピュータの未来
9.未来に向けて、人材育成が急務
この本の冒頭で著者は、「仕事の成果を上げるために、未来予測は不可欠」と述べています。
本書の前半では、「1%成長できるかどうかが、日本の未来を決める」および「未来の世界で日本の地位はどうなるか」について、以下のポイントを解説しています。
◆ 賃金が上昇しないと、社会保障負担率が著しく高くなる
◆ 日本政府の長期見通しは、非現実的な成長率を前提としている
◆ デジタル化の進展によって日本の成長率が決まる
◆ 女性や高齢者の就業率を高めるのが重要だ
◆ 今後20年で中国のGDPは日本の10倍、アメリカを抜いて世界一になる
◆ 円安で日本の一人当たりGDPはアメリカの半分以下
この本の中盤では、「増大する医療・介護需要に対処できるか」および「医療・介護技術は、ここまで進歩する」について説明しています。主なポイントは次の通り。
◆ 超高齢社会では、誰もが介護問題から逃れられない
◆ 高齢者増加で福祉分野の就業者が増加する
◆ 医療技術や介護技術(介護ロボット)が進歩する
◆ 医療はメタバースが重要な役割を果たす
本書の後半では、「メタバースと無人企業はどこまで広がるか」「自動運転とEVで生活は大きく変わる」および「再生可能エネルギーで脱炭素を実現できるか」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ メタバース=VRではない、ブロックチェーン技術で可能性大
◆ メタバースでの経済取引が可能
◆ NFT(非代替性トークン)の意義は強調されすぎている
◆ 自動運転技術は急速に進歩、自動運転で脱炭素化、環境が一変する
◆ エネルギーの原子力依存度を下げられる
この本の終盤では、「核融合発電、量子コンピュータの未来」および「未来に向けて、人材育成が急務」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 核融合は革新的技術だが実用化は容易でない
◆ AIによる自動翻訳は言葉の壁を壊す
◆ 量子コンピュータでも解くことができない暗号技術
◆ 日本のデジタル化、人材育成は世界から遅れ
◆ 日本人は大学や大学院で勉強しない
この本の締めくくりとして著者は、「われわらは未来の世代に向けて責任を果たしているか?」と問いかけています。
あなたも本書を読んで、20年後の世界と日本を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3119日目】