「東京の人口が減って、世帯数も減り始め、不動産の利用価値が低くなり、その価格が大きく下がる未来を、多くの人は見たいとは思っていない。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、同志社大学法学部および慶應義塾大学文学部を卒業し、マンションの広告制作や販売戦略立案などを手がけ、現在は一般ユーザーを対象にした住宅購入セミナーを開催するほか、新聞や雑誌に多くの記事を執筆する住宅ジャーナリストの榊淳司さんが書いた、こちらの書籍です。
榊淳司『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)
この本は、「2025年、いま地方で起きている不動産暴落の現実が、東京にも襲いかかる」と指摘し、不動産バブルのしくみから、大暴落までのシナリオを大胆予測した書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.不動産価格が決まるしくみ
2.危険に膨れ上がった東京バブル
3.地方では、すでに「暴落」している
4.すでに始まっている東京の不動産暴落
5.暴落へのスケジュール
6.暴落を避けるために
7.暴落という正常化
この本の冒頭で著者は、「未来予測というものは当たりにくいものだ。しかし、唯一、ほぼ確実に未来の姿が描ける分野が人口である。」と述べていて、「東京の人口は、2025年から減り始める。」と強調しています。
そして、「不動産の価格は、基本的にその利用価値で決まる。」「不動産の価値は『立地』が9割」と、著者は繰り返し説明しています。
東京という街については、次のような街の衰退を予感させる統計上の予測があります。
◆ 2025年、団塊世代がすべて後期高齢者になる
◆ 2025年、東京都の人口が減少し始める
◆ 2030年、東京都の世帯数が減少に転じる
東京オリンピックを控えた現在の不動産市場について著者は、「極地バブル」が起きている、と指摘しています。
不動産価格の著しい上昇がみられるのは、東京都心、すなわち山手線の内側とその周縁エリアで、さらに近郊エリアの世田谷区、目黒区、品川区といった城南エリア、オリンピック会場の湾岸埋め立て地、神奈川県川崎市の武蔵小杉、横浜のみなとみらいなどです。
その他では、京都市の御所周辺と洛北エリア、大阪市の梅田周辺、仙台市、福岡市などでも不動産価格の上昇傾向が見られます。
では今後、人口が急速に減少していく日本の不動産市場はどうなっていくのでしょうか?
著者は本書の中で、以下のような「大暴落」を予測しています。
◆ 急速に膨れ上がった東京バブル
◆ 中国人が「爆買い」した湾岸のタワーマンション
◆ 金利が上がると不動産価格は下がる
◆「空気」が変われば「暴落」は一気に起こる
◆ 地方ではすでに不動産が「暴落」している
◆ コンパクトシティ構想で捨てられていく村落(廃村)
◆「タダ」でも、もらい手がない地方の不動産
◆ 大都市に迫りくる「暴落ライン」
◆ 35年ローンの完済語、マイホームが「お荷物」に
◆ 首都圏の木造アパートは「半額」になる
◆ 役割の終わったニュータウン
◆ 日本人は異様な「新築好き」民族
◆「新築信仰」が引き起こす「供給過多」
◆ 欧米では嫌われているタワーマンション
◆ じたうは、災害に弱いタワーマンション
本書の終盤で著者は、「不動産取引を誰にとっても身近なものに」と呼びかけ、「一生に一度」から「5~6回が普通」になるのではと述べています。
そして「不動産に頼らない資産形成」を提唱しています。不動産はもはや「資産」ではない、という見方です。
この本で一貫して繰り返し主張しているのは「不動産の価格は、基本的にその利用価値で決まる」「だから利用価値のなくなった不動産の価格は暴落状態になる」ということです。
新潟県苗場のリゾートマンションや、地方の商店街店舗、田畑などは資産価値ゼロとみなされています。
日本の不動産の、面積にしておそらく8割は価値ゼロの状態で、値段のついているのは残り2割のエリア、ということです。
大都市の街に住んでいる人も、もはや他人事と済ますわけにはいかず、「暴落ライン」が確実に都市にも迫ってきているのです。
あなたも本書を呼んで、「不動産大暴落」の現実について、しっかりと考察してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!