書評ブログ

米山公啓『メモする人は脳がどんどん若返る』(中経の文庫)

米山公啓氏は、聖マリアンナ医科大学第二内科助教授を退職して、診療を続けながら医療エッセイ、医学実用書、医学ミステリーなど幅広く著作活動や講演を行う作家 兼 医学博士だ。

 

本書は、手帳やノートに手を使ってメモすることによって、運動神経や感覚神経、視角中枢、言語中枢といった脳機能のほかに、感情的なことの処理や推測する能力も使われる、つまり脳全体が鍛えられるということを述べている。

 

また、書くことが「記憶力」を高めることが分かっており、忘れていることを思い出したり、アイデアを思いつく「発想力」を高めることにもなる。書くことで、情報への感度が鋭くなって説得力も増すという。

 

米山氏によれば、パソコンへの入力でも脳は刺激されるという。手書きとパソコンをうまく併用していくことが、双方のメリットを活用していく点で、よいのではないか。

 

米山流のメモの書き方・約束は以下の通りだ。

 

1.感動したことを書く
2.よかったことを書く
3.失敗はできるだけ簡単に書く
4.否定されたことを肯定的に書き換える

 

以上のルールで書いていくと、書くことがプラス思考の強化につながる。人生で大切なのは、目の前の成功をつかむことではなく、最終的にどんな夢を果たせるか、ということだ。うまくいかない時期が長いほど、この先で成功する確率は高くなる。

 

本書の後半では、脳がどんどん若くなる27のネタが紹介されている。主要なものを紹介しよう。

 

1.「買い物記録」 をつける
2.「今日食べた物」 をメモする
3.「健康日記」 をつける
4.会った人の名前を時系列に書く
5.「旅行日記」 をつける

 

6.ブログで書く
7.「感動したこと」 を書く
8.「マイブーム」 を書く
9.俳句・短歌・川柳・詩を書く
10.「デジカメ日記」 をつける

 

11.「夢」 の絵を描く
12.「ことわざ」 や 「格言」、「名言」 を書く
13.「アイデア日記」 をつける
14.目標をいくつか書き出してみる
15.読んだものの 「要点」 を書く
16.「自分史」 を書く

 

まだまだ他にもあるが、以上のネタは私も共感し、実践しているものだ。最後に、米山氏は、Dr.米山流すらすら「文章術」を紹介している。

 

1.とにかく書く
2.書く場所をいろいろ変えてみる
3.気分がのらないとくは書くのをやめる
4.三度の食事で、脳にエネルギー補給を!
5.書いたものを本にする
6.定年後こそ、書く機会を積極的に見つけよう

 

脳の活性化に年齢の制限はない、ということだ。すべての前向きな方々に本書の一読を薦めたい。