満尾正氏は、北海道大学医学部卒業後、杏林大学にて救急救命医療に従事した。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員などを経て、現在は満尾クリニック院長・医学博士だ。
アンチエイジング(老化防止)医療の日本における先駆者であり、この分野の著書も多い。本書は、40歳前後になると急に太りやすくなる理由を説明し、健康で太らない体をいかに作るかを分かりやすく説明した書だ。
著者によれば、太らない体を作るには、①老廃物をきちんと排出すること、および②栄養バランスを整えることが大切だ、という。そのためのコツは以下の3つだ。
1.1日3回、10分ずつ歩く
2.食事は野菜を最初に食べる
3.できるだけ夜の11時までに寝る
以上の習慣により、からだは確実に変わっていく、と満尾氏は説いている。本書の構成は以下の5部に分かれている。
1.あなたの人生、今日からの 「1週間」 が勝負です!
2.すぐ効く!太らない 「歩き方」、「体の動かし方」
3.脂肪・贅肉を一気に捨てる 「体の大そうじ」
4.忙しい人・疲れやすい人 「熟睡・快眠のコツ」
5.「体にいいこと」 だけをやりなさい!
本書は、主に40歳代、50歳代の生活習慣の改善を意図して書かれている。それは、個人差はあるものの、40歳代から人間の基礎代謝量が急激に減少することから、生活・行動の習慣を変えないと、エネルギー消費が足りず、確実に太り始めるためだ。
著者は具体的に、食事の留意点や効果的な運動のやり方について、理屈とともに本書で紹介している。私がとくに印象に残り、実践しているのは以下のような生活習慣だ。
1.活性酸素を増やす喫煙(受働を含む)、お酒の飲み過ぎ、激しい運動、食べ過ぎ、ストレスを極力避ける
2.活性酸素を消す酵素を持つ食品(野菜・果物)をなるべく摂る
3.若返りホルモンDHEAのレベルを維持する習慣(よい睡眠・寝る前の飲食禁止・軽い運動)を心がける
4.有酸素運動であるウォーキングと、筋力トレーニング、ストレッチを毎日行う
5.排泄をスムースにする食物繊維(いも・野菜・海藻・きのこ・玄米)と発酵食品(みそ・納豆・漬物・ヨーグルト)を摂る
6.食事は最初に野菜を食べて、ゆっくり噛んで、ごはんは半分に減らして食べる
7.卵は1日1個をめどに毎日食べる
8.よい睡眠を確保するため、夜11時には寝て、6時間をめどに睡眠時間を取って休日も同じリズムにする
以上を毎日の生活習慣としたところ、体重は約4キロ減少、血圧も下がってきた。本書の特徴は、写真やイラスト入りで分かりやすく、記述が理論的で納得しやすいことだ。
40歳代、50歳代の型はとくに、もっと若い方にもぜひ本書の一読と、納得したら、生活習慣の改善を実践することをお薦めしたい。