書評ブログ

横瀬勉『人事のプロは学生のどこを見ているか』(PHPビジネス新書)

横瀬勉氏は、複数の企業で人事のマネジャーや責任者を歴任してきた。本書は、そんな横瀬氏の業務経験をバックボーンとして、採用に当たり、就職活動中の学生を見て、合否を判定するポイントを述べたものだ。

 

本書は、エントリーシートの書き方、面接で見るポイント、グループ・ディスカッションでのノウハウなど、学生にとっては非常にオーソドックスな就職活動の留意点を整理している。

 

読めば必ず役立つし、多くの参考になる情報が散りばめられている。新卒の採用選考については、各企業ごとにそれぞれ採用基準があり、試行錯誤を重ねながら、その会社なりの採用ノウハウを蓄積している。

 

したがって、学生の立場で、どんな企業の採用試験や面接を突破できる万能なノウハウや手法はない。ただ、多くの企業が欲しがる人材が共通するのもまた事実だし、内定を取る学生は何社でも内定を取っていく。

 

一方で、何社受けても1社の内定も取れない学生は後を絶たない。近年は、この学生の二極化がますます加速しており、格差は開く一方だ。企業が欲しがる人材はずばり以下の3点を満たす学生。

 

1.基礎学力があり、学ぶ意欲に溢れている
2.コミュニケーション能力があり、適応できる範囲が広い
3.明るく、第一印象がよく、前向きな発想ができる

 

こうした基礎力人間性の前提条件のもとで、専門性やスポーツ、サークル活動、ボランティア活動、アルバイトなどの社会経験が評価される。

 

就職活動をする学生および採用活動をする企業の人事採用担当者、ともに必読の書だ。