1年365日、毎日住んでいる町の本屋に通い、累計1万冊の本を買った人がいます。1932年岐阜県生まれで電通に勤務してコピーライターとして活躍した伊吹卓さんです。
伊吹さんは20代の頃から乱読で本を読みまくり、10年ごとに本の読み方を変えてきたと言います。そこで今日、紹介したいのはこちらの本です。
この本は、「悩んだ時にはいつも本から答えをもらった」という大の読書家である伊吹卓さんの読書遍歴を綴った書です。その「読書術」は年齢を重ねる10年ごとに大きく変化し、その変化ごとに以下の構成で綴られています。
1.本は、年齢とともに読み方が変わる
2.20代は、ただひたすら「乱読」
3.30代は、のめり込んで「ホレ読み」
4.40代になったら、確信を持って「信じ読み」
5.50代は、若いころ読んだ本の「反復読み」
6.60代は、第2の人生の「探し読み」
7.70代は、無病を願っての「長寿読み」
本の巻末には、エピローグとして「読書のおかげ」という効用が述べられ、さらに伊吹流「人生を変える本」42選が年代別推薦本として紹介されています。
その他本編の随所に、著者が感銘を受けた本、バイブルとして何度も読み返している本が紹介されています。ここまで本を師と仰ぎ、読書によって悩みを解決し、人生を切り開いてきた人はいないかも知れません。
伊吹さんは「自分に役立つ本」を見つける秘訣として以下の5カ条を挙げています。
1.自分の悩みをしっかり自覚しよう
2.悩みのイメージをつかんだら本屋へ行って本屋の中をうろつき回れ
3.「これだ!」と思った本を買え
4.買って帰って読んでみたら「ダメな本だった」としてもあきらめるな!
5.また本屋へ行って、本を探せ(そのうち「ありがたい本」に出会う)
読書をすると脳が若返ると、伊吹さんは言います。また人生の大きさは「読んだ本の数」に比例する、とも書いています。まさに伊吹さんの人生は読書とともにあったのでしょう。
伊吹さんは20代の「乱読」によって「判断力」が育ってくるので「乱読」がとても大切だとしています。そして「乱読」のノウハウとして以下の5点を挙げています。
1.「ムダ買い、ムダ読み」のすすめ
2.「飛ばし読み」のすすめ
3.「眺め読み」のすすめ
4.「ナナメ読み」のすすめ
5.「立ち読み」、「拾い読み」のすすめ
「乱読」によって、①自分の性格(個性)に気づき、②自分が生きていく方向が見えてきて、③なんとなく「生きていく」ということに自信がわいてきて、④気づかないうちに判断力が育ってくる、ということです。
伊吹さんの読書の仕方でもうひとつ特徴的なのは、優れた経営者、事業家の書いた本を読みまくり、その追体験を徹底的にしたことです。その内容を独立してから講義したり本を書いたりしたことで驚くほど売れたと言います。
さらに本書の最後の方では、「老人向けの本」や「長寿に関する本、介護の本」も紹介しています。まさに人生のあらゆる段階・年齢で相応しい本や著者の読書体験がありのままに語られていて、とても参考になります。
皆さんも自分の年齢に合わせて、「読書」のスタイルを変え、より充実した人生を送りませんか。
では、今日もハッピーな1日を!