山口俊治氏は、東京大学英文科を卒業し、日本医科大学教授を経て、代々木ゼミナールの英語講師となった。
代々木ゼミナールは経営危機により、複数予備校校舎の閉鎖や模擬試験からの撤退を発表しているが、山口氏の英文法講義は、浪人生から絶大なる支持を受け、本書はその講義の実況中継版だ。
本書、すなわち山口氏の英文法講義では、以下の3点を強く意図して展開されている。
1.根本にかかわる急所を筋道立てて理解させる
2.暗記ではなく心底から納得してもらう
3.文法嫌いの人でも肩ひじを張らずに読み通せる
もともと本書の旧版が200万人を超える受験者から熱い支持を受けて、一部最新の入試傾向を加味して改訂されたのが本書だ。
但し、上記の意図はそのまま受け継いでおり、改訂も最小限に留められている。講義の構成は上巻の本書が30回、さらに下巻(明日のブログで紹介予定)で30回の計60回だ。構成は以下の通り。
1.動詞・文型の講義(1~4)
2.時制の講義(1~4)
3.受動態の講義(1~2)
4.助動詞の講義(1~2)
5.熟語の講義(1~2)
6.仮定法の講義(1~3)
7.話法の講義
8.数の一致の講義
9.不定詞の講義(1~6)
10.分詞の講義
11.第5文型の講義(1~2)
12.動詞慣用語句の講義(1~2)
本書はまさに、講義の実況中継さながらの記述で、引き込まれるし読みやすい。英語の、とくに文法が苦手な社会人にもぜひ、本書を推薦したい。英語の土台を築くことに役立つことは間違いない。