書評ブログ

定年前起業に必要!『失敗しない個人事業の始め方』

個人事業の開業のポイントと開業1年目をどう乗り切って軌道に乗せるかを分かりやすく記述した本が出版されました。本日紹介するのは、定年前起業をする人は必読の、こちらの書です。

 

吉澤大『失敗しない個人事業の始め方』(ナツメ社)

 

この本は、税理士、中小企業診断士、システムアドミニストレーターの吉澤大さんが、「失敗しない個人事業の始め方」のノウハウを伝授してくれる書です。

 

著者みずからも税務会計事務所を立ち上げ、コンサルティング事業を行っている事業家で、且つ数多くの起業家のサポートをしてきた経験から本書のノウハウができているため実務的、実践的な内容です。

 

本書は以下の6部構成より成っています。

 

 

1.経営者の視点で、事業を徹底リサーチ
2.超規模で始め、1年で軌道に乗せる
3.自己資金と借入のバランスが重要、開業資金は最低限に
4.帳簿とお金の流れから、経営状態を正しく把握
5.お客様との密なコミュニケーションで集客&利益を増やす
6.1年間の総括、青色申告をマスター

 

 

個人事業主の約4割が1年以内に廃業しています。この本では、事業を「長続き」させるための「事業計画」、「コスト管理」、「マーケティング」等のノウハウを教えてくれます。

 

この本で著者は、「個人事業は事前準備が何より大事なんです!」と述べています。上記のそれぞれの章は、起業に必要な事前準備が順を追って書かれています。

 

また、各章の冒頭には、マンガ形式で、その章のエッセンスが分かるように工夫されていて、理解が進みます。

 

 

私が感じた、本書で提唱する起業準備に関するポイントは以下の通りです。

 

 

1.個人事業を正しく理解すること
2.経営者感覚を身につけること
3.情報収集と経営の勉強を欠かさないこと
4.得意分野を活かせる事業を選ぶ
5.まずは小規模から始める

 

6.開業資金、運転資金を用意する
7.初期費用をなるべき抑えて借金を少なくする
8.借入は確実に返す
9.届出・許認可の手続きをする
10.運営の仕組みづくりをする

 

11.事業の魅力を伝える
12.もしものときのためのリスク管理をしておく
13.毎年3月、期限内に納税する
14.大きな控除が受けられる青色申告を選ぶ
15.使える特例を知っておく

 

 

いずれも起業には重要なことばかりで、参考になります。また、各論に入る前に2ページ見開きで、「個人開業カレンダー」が掲載されています。

 

このカレンダーは、本書の核箇所に開設されているページも記されていて、目次と併せて読むと、本の全体像が頭に入って分かりやすいです。

 

 

本書のような開業あるいは起業のガイドは、実務的な書類作成届出の話が多く、読んでいても退屈になりがちですが、本書は楽しみながら読み進めることができます。

 

起業準備を進める方は、まずは「事業コンセプト」「ビジネスモデル」といった、起業のための「あり方」、「土台」を固めることが大切ですが、その後の起業準備も重要です。

 

本書は、起業に必要な要素がほぼ網羅されており、2015年11月1日の「定年前起業」に向けて、私も活用しています。

 

起業を目指す方は必読の良書として、心から一読をお薦めします。

 

 

では、今日もハッピーな1日を!