セミナー講師、教師、社長、インストラクター、プレゼンターなど「人前で話す人の究極バイブル」と呼ばれている書があります。集客5倍、講師料10倍という実績もある渋谷文武さんのこちらの本です。
渋谷文武『カリスマ講師THEバイブル』(サンクチュアリ出版)
この本は、「教育こそ、最高・最上のエンターテイメントだ!」と説く著者の「カリスマメソッド」を紹介した書です。著者の渋谷さんは、講師の「魅力的なキャラクター」と、「楽しいコンテンツ」が組み合わさることで、最高・最上の学びのエンターテイメントが生まれる、としています。
古今東西のカリスマとエンターテイメントを徹底的に研究して生み出された独自のプレゼン・講義術と驚異のマーケティング術を渋谷さんは「カリスマメソッド」と名付けています。
この本はそういう意味で、カリスマ講師を目指す方のための「バイブル」と言える本です。構成は以下の5部から成っています。
1.カリスマ・マインド
2.カリスマ・ブランディング
3.カリスマ・プレゼンテーション
4.カリスマ・マーケティング
5.カリスマ・スピリット
本書の冒頭で著者は、「カリスマ講師は自分で宣言してなるもの」と述べています。人生は洗脳合戦で、自分の性格を思い切り洗脳すべきだと言います。
そのための効果的な方法が「アファーメーション」で、毎日、次のアファーメーション(=肯定的宣言)を唱えることを薦めています。
「私はカリスマです。宇宙の無限のエネルギーとメッセージを、私を媒介として世界中の人に届けることができます。」
アファーメーションを毎日、唱えていると、直後から全身にエネルギーが満ち溢れてきます。次から次へと新たなインスピレーションが湧いてきて、一日の活力がみなぎってきます。
もちろん、信じる・信じないはあなたの自由。しかし、短期間でカリスマ講師になりたいと本気で思うのなら、騙されたと思ってやってみるといい、と著者は述べています。
その他、カリスマ講師のマインドとして、以下の5点が大切だと説いています。
1.カリスマとは自分の脳をコントロールできる人間のことを言う
2.24時間、365日、カリスマを演じきれ!
3.神様だって嫌われる、99%の人に嫌われたって問題なし
4.善意ほど攻撃される、攻撃されても受け流せ
5.否定されても突っ走れば周りには肯定的な人しかいなくなる
次にカリスマとしての「ブランディング」として大切なのは以下の4点です。
1.人が動くのは、好き嫌いの感情8割、ロジック2割
2.受講者のため、カリスマ講師という名の「ピエロ」を演じきれ!
3.あなたの職業は、「講師」じゃなくて、人を育てる「アーティスト」だ
4.圧倒的な格の違いを見せつけろ!
とくに上記4番目の「格の違い」については、具体的に強調していて、次の8点を挙げています。
1.セミナー講師は、ひとりで開催せず、受付スタッフを用意する
2.受講者と同じトイレを使わない
3.近づきがたいオーラを出せ!
4.価格(受講料)を上げる
5.つるまない、つるむ相手を考える
6.弟子をつくる
7.ミステリアスな部分を残す
8.各上の自覚を持つ
また、カリスマは何事にも動じないで常に「堂々としている」ことが大切です。そして「人生の汚点」も「最大の武器」に変えてしまう、「したたかさ」も身につける必要があるでしょう。
構成の3番目にある「プレゼンテーション」がこの本の中心です。詳細はぜひ、本書をお読みいただきたいのですが、ポイントだけ5点、以下に紹介しておきます。
1.講師に必要なのは、知識や技術ではなく、「感情」と「情熱」だ!
2.飽きられないように話すには「ギャップ」が重要
3.「ドキュメンタリー型話法」で受講者を釘付けにしろ!
4.理論を語る場合は、「具体例」とのサンドイッチ型に
5.シンプルな公式で理解度アップを!
この中で、3番目の「ドキュメンタリー型話法」とは、次の3つのセミナー構成のことです。
1.つかみ (=すごさ)
2.共感 (=挫折)
3.新たな挑戦・エンディング
このストーリー構成があたかもドキュメンタリー番組の構成のように視聴者(=聴衆)を惹きつけるからです。
本書の後半には、マーケティングやカリスマ・スピリットについて記されています。とくにセミナーの集客について、以下の3点をポイントに挙げている点は参考になります。
1.あなたの熱狂的なファンを作ってからセミナー告知をする
2.キラーコンテンツを先出しする
3.絶対に勝てる「オンリーワン」の場所で勝負する
最後の「スピリット」については、「チャンスは、あなたの覚悟の強さ、深さ、大きさに比例してやってくる」という言葉が印象的です。自分と目の前の相手だけに集中してつねに「ギブ&ギブ」で行け、と渋谷さんは言います。
この本を読めば、「カリスマ講師」というのが、どのようなメンタリティを持っていて、どのように振る舞えばよいのか、が具体的に分かります。講師業で起業したい人は必読の書として推薦します。
では、今日もハッピー」な1日を!