山本静司氏は、広島県に本社のある中堅ビルダー創建ホーム株式会社の創業社長だ。本書は、2011年に5年後の株式上場をめざす決意とメッセージを込めて書かれたものだ。
とくに社員に残しておきたい「大切なこと」して、以下の3点を挙げている。
1.感性を養い、発揮する力
2.あらゆることに気づく力
3.思いやりの心
山本氏の原点は幼少期にあり、2歳の時に父親を亡くして厳しい環境で育てられた。そんな中で次のようなことを学んだという。
1.時間を守ることの大切さ
2.真理を見抜くことの大切さ
3.人を見る目を養うことの大切さ
自分の置かれた環境をマイナスに考えず、前向きな姿勢で努力すれば、逆境さえも自分の力に変えることができると知った、という。
創建ホームが大きく成長した転機は、創業16年目の2001年に東京の興和不動産株式会社との出会いだという。同社が東広島市に開発した大規模団地「あすかパーク西高屋」130区画の販売を手がけた。
この実績をきっかけに、創建ホームの評判が中国地区に広がり、地域トップクラスの住宅メーカーとなっていった。
現在では、たまたま縁あって開発を手掛けた仙台地区の戸建住宅が大震災後の復興を進める地元で、高い評価を受けて販売が好調だ。
高台で津波の被害を全く受けなかった当社の住宅団地は、仙台地区で人気が沸騰しているという。事業者としても幸運を持っている。
苦難に会っても成功を夢見て頑張り続ける勇気ある方々に、ぜひ本書の一読を薦めたい。