昨日に続いて、中山治氏の「中学受験」関連の著書を紹介したい。中山氏の持論は、未成熟な子どもの勉強や受験については、過度に親が追い込んではいけない、というものだ。
子どもを「燃え尽き症候群」にしないために、よとりを持った受験勉強を行うべきだと説いている。その方が、子どもが「あと伸び」するというのだ。
「あと伸び」というのは、受験を終えて志望校に入学した後に子どもの学力が伸びる、ということだ。実は、希望する学校に入ってからがほんとうの学習なのだ。
本書は、そうした「あと伸び」するための、ゆとりを持った学習を、親子でいかに進めていくかという学習戦略を述べた本だ。
塾や世間に煽られて、受験勉強はどうしても子どもに無理を強いる形になってしまう。夜遅くまで続く塾での勉強や、日曜日にまで及ぶ模擬試験や特訓講座。
世間の中学受験準備に流されてしまわないように、例えば進学塾の選択や、塾のオプション講座、個別指導などを拒否して自分に合ったペースで学習することが大切だ。
少子高齢化が進むにつれてますます過熱する受験熱。全ての中学受験に取り組む関係者に読んでほしい名著として、本書を推薦したい。