「田舎にある自然には誰でもすぐ馴染むことができるが、田舎社会の人間関係は異文化である面も多く、一大決心をして入っていく必要がある」と説いている書があります。
本日紹介するのは、1935年広島生まれで、ビジネスコンサルタントとして活躍してきた山崎武也さんが書いた、こちらの書です。
山崎武也『シニアこそ都会に住もう』(PHP研究所)
この本は、定年後のシニアになってからの「生き方」や「住まい方」を、著者の経験から提唱している書です。
一般に定年後の住まい方として憧れる「田舎暮らし」について、さまざまな観点からよく考えたうえで実行した方がよい、と本書では警鐘をならしています。
本書は、40の小テーマを掲げて、都会住まいと田舎暮らしを比較しながら、著者の山崎さんの知見や暮らしの知恵を交えて考察を加えています。
定年後の生き方、住まい方に参考になるテーマばかりですが、特に私が感銘を受け印象に残っているテーマと本書の主張を以下に紹介します。
◆ 終の住処
◆ 仕事と都会
◆ 大都会の魅力
◆ 田舎の魅力と煩わしさ
◆ 行動範囲を考えて
◆ ショッピングの楽しみ
◆ レストランでドラマを見る
◆ おしゃれをする
◆ 子供や孫とのふれあい
◆ 若者の行動様式との接触
◆ リゾートと別荘
◆ 一戸建てかマンションか
◆ 住居は「買う」か「借りる」か
◆ 芸術鑑賞は感性と感性の対決
◆ 散歩の魅力とは
◆ 田舎は車社会
◆ クオリティ・オブ・ライフ
◆ 老後のリハーサル
◆ 海外移住の条件
◆ 自立心を養う
著者は私より23歳年上で、6年前に本書を執筆しているので、74歳の時に書いている計算になります。私と同様に、著者の山崎さんも転居、引越しを繰り返して賃貸の住まいで、将来の妻のひとり暮らしを考えて、「終の住処」の検討をしています。
条件としては、自分たちの生き方をはっきりと見極め、その視点に立ったうえで選択して決めていかねばならない、と述べています。
住居を購入するときは「資産価値」に重点を置いて考える人が多いが、住居にとってより重要なのは、その「有用性」だ、と著者は言います。
つまり、自分たちのライフスタイルに合った構造になっているとか、生活のしやすい環境にあって利便性に富んでいるとかの点も重要な要素であるが、それらは必ずしも世間一般の価値基準とは一致しません。
著者の山崎さんは、さまざまな比較をした結果、自分としては都会に住むべきと結論を出しています。定年後の人生に刺激を与えたり、人間関係の煩わしさを避けられたり、その他さまざまな利便性のためです。
リゾートと別荘についても、別荘の所有には懐疑的で、その都度リゾートへ旅をしてお金を払う方法を選択しています。一戸建てかマンションかについても、都会ではマンションにならざるを得ないとして、その利点・欠点を考察しています。
さらに住居を買うか借りるかという選択についても、買うのはかなりのリスクを承知で行うべきで、現金で買える余裕のある人に薦めるとしていて、自らは未だ都会の賃貸住まいです。
その他、本書では定年後の生き方について、さまざまなテーマで著者の知見が紹介されていて参考になります。あなたも本書を読んで、定年後の人生設計のヒントにしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を