本を読みたいのだけど、どうしても途中で挫折してしまう、という人のために、その「悩み」に答えてくれる本が出ました。
本日紹介するのは、数々の読書術を書いている齋藤孝・明治大学教授が書いた最新刊の、こちらの新書です。
齋藤孝『本をサクサク読む技術』(中公新書ラクレ)
この本は、長編小説から難解な翻訳書・学術書まで、どんな本でもストレスなくサクサク読めるようになる「読書のノウハウ」を伝授してくれる書です。
読書のイメージが変わるかもしれない、と著者の齋藤さんは言いますが、ポイントは以下の2点です。
1.読書を「楽しむ」ということ
2.とにかく「数」をこなすこと
本書では、「蔵書1,000冊」を目指すことを提唱しています。大雑把に言えば、部屋の壁一面を本で埋め尽くすぐらいのイメージということですが、私もまったく同感です。
読書は、「慣れ」がスピードも理解力も飛躍的に向上させるもので、私も経験上、「1,000冊が分岐点」と感じています。1,000冊と言うと途方もない数字に感じるかも知れません。
しかし、もうひとつの「楽しむ」という視点があれば、あっという間です。私のブログは毎日1冊の書評を書いていますが、まもなく800記事になりますので、今のペースでブログ更新を継続すると年末年始くらいには1,000冊の書評データベースができます。
何を読んだらよいか分からない、という方はぜひ、私のブログ書評を参考に本を選んでみてください。興味関心は人によって様々ですが、書評を読んでから選べば大きなハズレはないと思います。
さて本書は以下の5部構成から成っています。
1.「読破」するにはコツがある
2.長編小説を挫折しないで読む方法
3.「ビジネス常識」としての経済小説、歴史小説入門
4.難解な翻訳書・学術書を読みこなすコツ
5.本を選ぶヒント-王道から邪道まで
本書は、どちらかと言うと、本は読みたいけど読書が苦手で続かない、という人に向いています。いわば、「読書のハードル」を下げてくれる本です。
どうしても本を前にすると、肩に力が入ってしまって、なかなか取り掛かれなかったり、すぐに眠くなってしまって続かないということがあります。
そうした人にこそ読んで欲しい一冊です。読書に向かい、続けさせてくれる工夫やコツが満載です。私が共感する、とても有益な方法として以下のようなコツがあります。
◆ 並行読書のススメ
◆ 新書から始めよう
◆ 「見る」も「眺める」も読書のうち
◆ 経済小説で経済を知る
◆ 英語ビギナーでも洋書が読める
◆ 「新刊情報」に敏感になろう
◆ ベストセラーから得られるメリット
◆ 自室に書棚を置こう
また、本書では著者の齋藤孝さん自身が影響を受けた推薦書もふんだんに紹介されていて参考になります。
本書の最後で著者は、次のように述べています。
「読書で得られるのは、知識や情報だけではありません。もっと深い部分で心の支えになったり、考え方や生き方を教えてもらったり、「自分の軸」を作ってもらったりすることに意義があるのです。」
私も全く同感で、それこそが「読書の醍醐味」でしょう。「読書」には人生を変える力があります。
最後に、著者の齋藤孝さんの「私の軸をつくった5冊」が紹介されていたので記しておきます。
1.勝海舟『氷川清和話』(講談社学術文庫)
2.メルロ=ポンティ『知覚の現象学』全2巻(みすず書房)
3.ニーチェ『ツァラトゥストラ』(中公文庫)
4.ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』全5巻(光文社古典新訳文庫)
5.石光真人『ある明治人の記録』(中公新書)
あなたも本書をキッカケに「読書」の習慣を付けて、「多読」に挑戦してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!