書評ブログ

大前研一『稼ぐ力』(小学館)

本日も3日連続で大前研一氏の著書を紹介したい。本書は大前氏の最新刊で、稼ぐ力に焦点をあてたものだ。大前氏は以前からビジネスパーソンの養うべき実力を強く説いてきており、時代の変化に対応すべきことを強調している。

 

本書は、サブタイトルにある通り、「仕事がなくなる」時代の新しい働き方を提言したものだ。グローバル競争で生き残りを賭けて戦っている企業の中で、社員も生き残りを賭けた二極化に突入している。

 

単純労働は新興国の安い労働力に奪われて仕事はなくなる一方で、付加価値を生み出す創造力知恵を持つ社員は、どの企業も欲しがる人材で年収はさらに上がっていくだろう。

 

グローバル企業のビジネスパーソンとして必須のスキルは大きく2つに分かれ、一つは「ハードスキル」だ。英語やITリテラシー、ファイナンスという経営の知識だ。

 

もう一つは、「ソフトスキル」で、これはグローバルなコミュニケーション・スキルだ。グローバルなので当然、共通言語の英語で、ということになる。「ハードスキル」である英語力最も基礎的な必須のスキルなのだ。

 

そこで本書の巻末には、ビジネス英語力を養成するための特別講座が設けられている。年間500時間を英語習得の時間にあてること、BBCをつけっ放しにして英語に触れること、自身の行動を英語で実況中継して表現を覚えること、などが紹介されている。

 

どれも同感だ。ビジネスに必要な英語力とは、基本的には英語での情報収集力英語での発信力、そして英語でコミュニケーションを取る能力だ。日常英会話ではなく、ビジネスで使う英語ということだ。

 

本書では、年代別の仕事の仕方や心構えも述べていて、ビジネスマンには参考になる。ぜひ、若い人に数多く読んでほしい名著だ。心から強く推薦したい。