「行動科学で人生がみるみる変わる!」と説いて、行動科学マネジメントを広める活動をしている人がいます。本日紹介するのは、私の起業テーマのひとつでもある「習慣」について書いた、石田淳さんのこちらの本です。
石田淳『行動科学で人生がみるみる変わる!「結果」がでる習慣術』(角川マガジンズ)
この本は、そもそも「習慣」とは何でしょう、という問いからスタートします。「習慣」とはずばり、あなたの取る「行動」に他ならないというのが本書の結論です。
「習慣が人生を変える」、これは言い換えれば「行動が人生を変える」ということです。人生は行動の集積で、ちょっとした行動の積み重ねと繰り返しが、自分の望んだ人生をつくります。
良い習慣を身につけるには、行動のための条件や環境を整えて、「行動をコントロールすればいい」と著者は言います。行動しやすくするコツは、「ちょっとずつやること」です。
この「行動のコントロール」のやり方を体系化したシステムが、この本で紹介する「行動科学マネジメント」です。「行動科学マネジメント」という科学的手法に基づいた行動のコントロール(=「習慣づくり」)によって、著者は人生を変えたということです。
本書は以下の5部構成になっています。
1.なぜ習慣は身に付けられないのか?
2.科学的手法で習慣をあなたのものにする!
3.「仕事」に活きる習慣
4.「人間関係」に活きる習慣
5.「日常」に活きる習慣
本書の冒頭で著者は、「習慣が身に付かないのは、意思の力や精神力、自分の性格とは無関係」だと言っています。
まずは「人間の行動原理」を知って、それに基づいた準備と計画、ちょっとした工夫を凝らせば、あなたが身に付けたいと望む習慣は必ずあなたのものになる、と石田さんは説いています。
行動科学マネジメントには「MORSの法則」(具体性の法則)という、はっきりした行動の定義があります。それは次の4つの要素から成り立っています。
1.Measured (計測できる)
2.Observable (観察できる)
3.Reliable (信頼できる)
4.Specific(明確化されている)
この4つが揃って、初めて「行動」と言えます。行動科学マネジメントでは、曖昧さを排除し、やるべきことを具体化することが必要です。
最近では「言語化のできていない」講師は数多くいます。曖昧さを排除し、具体的な言葉を使うことを石田さんは薦めています。
習慣が身に付かないのは、「やり方を知らない」か、「続け方を知らないか」のいずれかです。躓いてしまう原因のひとつが、「具体性の不足」です。そして「続ける技術」が重要です。
また、行動科学マネジメントでは、「自発的な行動」を重視しています。「やらなくてはならないから、やる」ではなく、「やりたいから、やる」という行動です。
行動科学マネジメントを活用して、行動を考えると、行動には以下の2種類があります。
1.不足行動
2.過剰行動
「不足行動」とは、行動を増やしたいということです。また、「過剰行動」は、減らしたいと思う行動のことです。不足行動を増やすことは、アタマでは理解しているものの、「すぐに成果を確認できない」ということがネックになります。
続いて本書では、習慣づくりの3つのコツを紹介しています。ポイントは以下の3点です。
1.行動したくなるための “ヘルプ” を付ける
2.行動した時のメリットをつくる
3.ハードルを低くする
達成感により、「自分にもできるぞ」という自信、すなわち、自己効力感(=セルフ・エフィカシー)が引き出されます。
もう一つ、本書で興味深かったのは、上記3部めに出てくる「なぜ本を読むことが習慣にできないのか?」という項目です。習慣化するためには以下の2点が重要です。
1.具体的に「どんな行動を取ればいいか」
2.その行動を取った結果がプラスであるようにコントロールする
行動のハードルを低くするために、石田さんは「本はいつも持ち歩く」ようにしています。また、見える化のために、読む本、読んだ本を記録しておく「読書ノート」がアウトプットとして最適でしょう。
定年前起業を目指す方々は、ぜひ本書の「行動科学マネジメント」の教えを踏まえて、結果が出る習慣術を身に付けませんか。
では、今日もハッピーな1日を!