「人生は一度きり。残された時間で後悔はしたくない。」― 20年以上かけて会社を成長させ、株式上場を実現した経営者が、50代半ばでがんを宣告され、闘病生活の中で人生を見つめ直し、わずか3年間で総投資額9億円に達する不動産投資を実現した体験を綴った本があります。

本日紹介するのは、大学卒業後、大手自動車メーカーに勤務し、その後、親戚の家業であった葬儀会社を引き継ぎ、20年以上にわたり経営者として事業を成長させ、M&Aを通じて株式上場を実現。飲食業やIT事業などの起業も経験し、2021年に中咽頭がんを宣告され、約2カ月半にわたる入院と抗がん剤・放射線治療を経験。闘病をきっかけに不動産投資を始め、3年間で総投資額9億円を達成し、現在は不動産投資家、J-REC公認不動産コンサルタント、不動産実務検定講師として活動するトシヒロさんが著した、こちらの書籍です。

トシヒロ『癌から9億』(ブックダム)

人生100年時代を迎え、定年後の資産形成や経済的自立への関心が高まっています。
その一方で、50代、60代になると、新しいことへの挑戦をためらう人も少なくありません。「今から始めても遅いのではないか」「不動産投資は多額の借金を抱えるので怖い」
「失敗したら、老後の生活が成り立たなくなる」

そんな不安を抱える人に向けて、著者は自身の経験をもとに、人生を変えるための考え方を伝えています。

著者は、大手企業での勤務を経て、親戚の家業であった葬儀会社を引き継ぎ、20年以上にわたり経営に取り組んできました。

22期連続の増収増益を達成し、M&Aを通じて株式上場も実現しました。

ところが、ようやく経営者として一つの区切りを迎えた頃、50代半ばで中咽頭がんと診断されます。約2カ月半にわたる入院生活では、抗がん剤と放射線による治療を受けることになりました。

その入院中、著者の楽しみになったのが、YouTubeで不動産投資に関する動画を見ることでした。病気を経験し、死を現実的なものとして意識したとき、著者は残された人生をどう生きるかについて考えます。

そして、「残された時間で後悔はしたくない」という思いから、不動産投資への挑戦を決意したのです。

本書の特徴は、単なる不動産投資のノウハウだけでなく、著者が会社員時代に培った分析力と実行力、経営者として身につけた経営マインド、そして闘病を通じて得た人生哲学を組み合わせていることです。

著者が提唱する実践方法は、次の4つのステップです。「学んで → 行動して → 人と会って → 楽しむ」

まず正しい知識を身につけ、実際に行動し、人とのつながりを広げながら、投資そのものを楽しむという考え方です。

また、会社員には勤続年数や安定した収入という、金融機関からの信用につながる「見えない資産」があると指摘しています。

さらに、融資を受ける力を戦略的に活用する「逆三角形の与信枠戦略」や、家賃収入、売却益に加えて、ローン返済によって純資産が増えていく「内部蓄積」という考え方も紹介しています。

ただし、総投資額9億円は保有資産の純資産額や利益額を意味するものではなく、借入金や金利、空室、修繕費などのリスクも含めて考える必要があります。

本書は以下の4部構成から成っています。

1.学ぶ  知識が一歩を踏み出す勇気をくれる

2.行動する  一歩を踏み出そう

3.大事なのは、お金じゃなくて考える力

4.どん底だった私にもできた 絶対あなたにもできる

 

本書の前半では、不動産投資を始めるための知識と行動の重要性について、以下のポイントを説明しています。

◆ 正しい知識を身につけることが、不動産投資への不安を克服する第一歩になる

◆ 会社員には勤続年数や安定収入という、融資審査で評価される強みがある

◆ 「学んで、行動して、人と会って、楽しむ」という4ステップを実践する

◆ 成果を出すには、情報収集だけでなく実際に行動する

◆ 経営者の視点を持ち、物件の収益性やリスクを分析する力を磨く

 

この本の中盤では、不動産投資の戦略と、投資家としての考え方について解説しています。主なポイントは次の通り。

◆ 融資を受ける力を計画的に活用する「逆三角形の与信枠戦略」を考える

◆ 家賃収入や売却益に加え、借入元本の返済による「内部蓄積」に注目する

◆ 積極的に規模拡大を目指す投資と、無理のない「ゆる不動産投資」を比較する

◆ 物件価格だけでなく、収支、借入条件、将来の修繕費まで検討する

◆ 資金の多さよりも、自分で考え判断する力が大切になる

 

本書の後半では、逆境を乗り越えるマインドと、人生を変えるための行動について考察・提言しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ がんの闘病経験が、残された時間を見つめ直すきっかけになった

◆ 過去の成功や失敗にとらわれず、新しい分野に挑戦する勇気を持つ

◆ 知識と行動に加えて、経営者としての視点が重要になる

◆ 年齢を理由に可能性を閉ざさず、自分に合った投資スタイルを選ぶ

◆ 学び続けながら、一歩を踏み出す

 

本書を読んで最も印象に残ったのは、「残された人生をどう生きるか」という問いが、新たな挑戦の原動力になったという点です。

著者は、がんという大きな試練を経験したことで、時間の有限性を強く意識し、不動産投資という新しい分野に挑戦しました。

人生100年時代には、50代、60代からでも学び直し、新しい仕事や資産形成に取り組むことができます。

ただし、不動産投資には多額の借入れを伴う場合もあり、著者の成功事例が誰にでも再現できるわけではありません。大切なのは、自分の資産状況やリスク許容度を踏まえ、無理のない方法を選択することでしょう。

「人生を変えるのは、年齢ではなく、学び続けて行動する姿勢である。」
定年後の資産形成を考えている人、不動産投資に関心がある人、そして人生の後半から新しい挑戦を始めたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。

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では、今日もハッピーな1日を!【4248日目】