『世界の超富裕層がしている「最初の1億円」の作り方』
「世界の超富裕層にとって『最初の1億円』はゴールではない。スタートです。」― 新NISA、インデックス投資、コツコツ積立。どれも資産形成の王道ですが、それだけが資産を増やす方法ではありません。年収300万円の会社員からスタートし、ゴールドマン・サックスを経て資産を築いた著者が、「資産を加速させる車線」に乗るための考え方を解説した一冊があります。
本日紹介するのは、ニート生活から4社を経てゴールドマン・サックス不動産運用部に勤務し、その後独立、全国で一棟不動産への投資やマンション開発を手掛け、現在は不動産アカデミーを主宰する不動産投資家で、不動産鑑定士でもある小原正徳(おはら・まさのり)さんが著した、こちらの書籍です。
小原正徳『世界の超富裕層がしている「最初の1億円」の作り方』(KADOKAWA)
本書の特徴は、「何を買えば儲かるのか」という投資商品の紹介ではなく、資産形成のスピードをどう上げるかという発想にあります。
新NISAでインデックスファンドを積み立て、長期間かけて複利で資産を増やす。これは、多くの人にとって再現性の高い有力な方法でしょう。
しかし著者は、それだけでは大きな資産を築くまでに長い時間がかかると指摘します。そこで提示するのが、資産形成を「5段ギア」で加速させる考え方です。
まず給料以外から「最初の1円」を生み出す。次に、自分の経験や知識を商品にする。さらに、自分が働かなくても収益を生む仕組みをつくる。そして信用を積み上げ、大きな資本を動かせるようになる。
最終的には、お金そのものよりも大きな視点で事業や投資を見る。こうして資産形成のギアを一段ずつ上げていくのが、本書の基本的な考え方です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.年収300万円から「億り人」になれた「資産爆増5段ギア」
2.「情報の沼」から出よ。給料以外で「最初の1円」を稼げ〈1速ギア〉
3.経験を売る。アイデア一つで「一撃150万円」を得た日〈2速ギア〉
4.全自動で年間1000万円を生み続ける「仕組み」とは〈3速ギア〉
5.「信用の総量」で開く1億円超の「富裕層」の扉〈4速ギア〉
6.「最初の1億円」が霞んで見える「超富裕層」の視点〈5速ギア〉
本書の前半では、資産形成を加速する出発点について、以下のポイントを説明しています。
◆ 資産形成の第一歩は、給料以外から「最初の1円」を稼ぐことにある
◆ 情報収集ばかり続けるのではなく、小さくても実際に行動することが重要になる
◆ 本業以外の収入源を持つことで、お金に対する考え方と選択肢が大きく変わる
◆ 自分の経験や知識は、工夫次第で「売れる価値」に変えることができる
◆ 資産を大きくするには、労働収入だけに依存しない発想へ転換する必要がある
この本の中盤では、収入を仕組み化し、資産形成をさらに加速する方法について説明しています。主なポイントは次の通り。
◆ 自分が働いた時間だけ収入を得る状態から、「仕組みが稼ぐ」状態へ移行する
◆ 一度つくった商品や事業が継続的に収益を生む仕組みを考える
◆ 得た利益を消費するだけでなく、次の資産や事業へ再投資することが重要になる
◆ 資産形成では、時間、労働、資本をどう組み合わせるかが成長速度を左右する
◆ 小さな成功を積み重ねながら、一段ずつ資産形成の「ギア」を上げていく
本書の後半では、信用を活用して大きな資本を動かす富裕層の考え方について解説・提言しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 資産が大きくなるほど重要になるのが、金融機関や周囲から得られる「信用」である
◆ 信用が積み上がると、自分の自己資金以上の規模で事業や投資を行えるようになる
◆ 富裕層は「自分のお金だけで投資する」という発想にとらわれない
◆ 1億円はゴールではなく、より大きな資産形成へ進むための一つの通過点になる
◆ 超富裕層は、お金の額そのものより「資本をどう動かすか」という視点で考えている
本書を読んで最も興味深く感じたのは、資産形成を「金額」ではなく「ギア」で考えていることです。多くの会社員は、毎月の給料から一定額を貯蓄し、新NISAなどで長期積立投資をします。
本書の「最初の1円を稼ぐ」という考え方は、副業やひとり起業にもつながります。自分の経験、知識、スキルを商品やサービスに変え、会社からの給料とは別の収入をつくる。
そこで得た利益を使い切らず、次の事業や資産へ回していく。さらに、自分が働き続けなくても収入が生まれる仕組みへ発展させる。
この流れは、単なる投資術ではなく、「稼ぐ力」と「増やす力」を組み合わせた資産形成だと感じました。
また、本書で重要なのが「信用」です。著者が中心に取り組んできた不動産投資では、金融機関からの融資を活用することで、自己資金を超える規模の資産を動かすことができます。
ただし、借入によるレバレッジは資産拡大を速める一方、空室、金利上昇、不動産価格下落などによって損失も拡大します。
したがって、本書が示す方法をそのまま誰もが再現できるわけではなく、リスク管理や自分の資産状況に応じた判断が欠かせません。
私は人生100年時代の資産形成では、「新NISAか不動産投資か」という二者択一で考える必要はないと思います。まず生活防衛資金を確保し、長期・積立・分散による資産形成を土台にする。
そのうえで、働ける時期には本業、副業、ひとり起業などで「稼ぐ力」を高め、投資に回せる元本を増やしていく。
「貯める・増やす」だけでなく、「稼ぐ・仕組み化する・信用を積む」という視点を加えること。
「最初の1億円」というタイトルは刺激的ですが、本書の本質は金額そのものよりも、資産形成のスピードを変えるには、自分の行動と収入構造を変える必要があるという点にあります。
新NISAや積立投資だけでは物足りないと感じている人、副業やひとり起業を資産形成につなげたい人、富裕層がどのような発想で資本を動かしているのかを知りたい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。
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では、今日もハッピーな1日を!【4214日目】








