『不安通貨 貯金や投資で消えない「お金の不安」を最新科学で解決』
「お金が増えれば、不安は消える。」― 私たちは、ついそう考えてしまいます。けれども実際には、十分な貯蓄があっても不安な人、高収入でも満たされない人がいる一方で、それほど高収入でなくても安心して暮らしている人がいます。
この本は、その違いを「お金の額」ではなく「お金との向き合い方」に求め、ファイナンシャル・ウェルビーイング、幸福学、心理学、行動経済学などの最新研究から、「お金の不安」を減らす方法を解き明かした一冊です。
本日紹介するのは、大阪府出身、無職、ニート、主婦、パート、派遣社員、国内大手上場企業勤務、外資系企業勤務、個人事業主、経営者と多様な働き方を経験。離婚、無職、貯金ゼロを2回、投資詐欺被害を3回経験するなど、お金に振り回された時期を経ながら金融知識を身につけ、30代で純資産1億円を形成したファイナンシャルプランナー、小学校教諭免許状を持ち、株式会社トウシナビ代表、ママ金融教育家、Voicyパーソナリティとして活動する櫻井かすみさんが書いた、こちらの書籍です。
櫻井かすみ『不安通貨 貯金や投資で消えない「お金の不安」を最新科学で解決』(Gakken)
本書は以下の7部構成から成っています。
1.不安は “通貨” として増殖する
─ 投資しても貯金しても、不安が消えない理由
2.科学が語る「お金と幸福」の本当の関係
─ お金は幸せをくれないけど、幸せを守ってくれる。その理由は?
3.「不安通貨」を減らす~迷わないお金の育て方~
─ 幸せな人は「幸せお金軸」を持っている
4.科学が証明した“幸せになるお金の使い方”5選
─ ただの節約や貯金では、生涯幸福は買えない
5.不安通貨を断ち切る「幸せ通貨のデザイン」
─ 幸福度が高まる使い方を科学的に見える化する
6.「幸せ通貨」を育てる毎日の習慣
─ 科学が証明した“迷わないお金”の育て方
7.不安通貨から「幸せ通貨」へ
─ お金に振り回される人生から、お金を使いこなす人生へ
本書の前半では、なぜ貯金や投資をしても「お金の不安」がなくならないのか、その心理的な背景と、お金と幸福の本当の関係について解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ お金の不安は、単純に収入や資産額の不足だけから生まれるものではなく、「足りなくなるかもしれない」という認識によって増幅される
◆ 資産が増えても、比較する相手や生活水準が変われば、安心できる金額も際限なく上がっていく
◆ お金そのものが幸福を直接生み出すわけではない一方、生活上の選択肢や安心感を確保し、幸福を守る役割は大きい
◆ 他人の資産額や収入を基準にするのではなく、自分がどのような人生を送りたいのかを起点に考える必要がある
◆ ファイナンシャル・ウェルビーイングとは、単に資産が多い状態ではなく、現在と将来のお金に安心感を持ち、人生の選択を主体的に行える状態である
この本の中盤では、「不安通貨」を減らし、自分にとって幸せなお金の軸をつくる方法と、お金の使い方について紹介されています。主なポイントは次の通り。
◆「いくらあれば安心か」という金額だけではなく、「何のためにお金が必要なのか」を言語化することで不安を整理する
◆ 自分なりの「幸せお金軸」を持つことで、世間の常識やSNS上の比較に振り回されにくくなる
◆ 節約や貯蓄だけを目的化するのではなく、経験、人間関係、自分の成長など幸福につながる対象へお金を使う
◆ お金を使うことへの罪悪感を減らし、「使ってよかった」と感じられる支出を意識的に増やす
◆ 幸福度の高いお金の使い方を可視化し、支出を減らすだけではなく、お金と人生の満足度を結びつけて考える
本書の後半では、「幸せ通貨」を育てる日常習慣と、お金に振り回されない人生への移行方法が解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 毎日の小さな支出についても、自分の価値観に沿っているかを振り返る習慣を持つ
◆ お金に関する判断基準をあらかじめ決めておくことで、その都度迷い続ける心理的負担を減らす
◆ 将来不安だけを理由に資産をため込まず、現在の幸福とのバランスを取る
◆ 投資や貯蓄は「不安をゼロにするため」ではなく、人生の選択肢を増やすための手段として位置づける
◆ 「不安通貨」を増やす思考から離れ、お金を自分らしい人生のために使いこなす「幸せ通貨」の発想へ切り替える
本書で最も印象に残るのは、「お金の不安は、お金を増やすだけでは解決しない」という点です。老後資金が2000万円必要だ、4000万円必要だ、といった数字が話題になるたびに、「もっと貯めなければ」と考える人は少なくありません。
不安の正体を見つめないままでは、資産額が増えるほど安心できるとは限らないのです。ここで重要になるのが、本書の中心テーマである「ファイナンシャル・ウェルビーイング」です。
自分の生活費を把握している。将来への一定の備えがある。突然の支出にも対応できる。そして、自分が大切にしたいことにお金を使える。こうした状態こそ、本当の意味で「お金に安心している」状態なのでしょう。
私は、人生100年時代には「貯める」「増やす」だけでなく、「使う」ことがますます重要になると考えています。
最近では、ベストセラーの『DIE WITH ZERO』に象徴されるように、「資産を最大化すること」よりも「人生の満足度を最大化すること」への関心が高まっています。本書の「幸せ通貨」という考え方も、その延長線上にあると感じます。
大切なのは、「自分は何にお金を使ったときに幸せなのか」を知っていることです。これは、定年後の人生設計にも直結します。
私自身も、人生100年時代の幸せな人生設計では、「お金」「健康」「人間関係」「生きがい」をバランスよく整えることが重要だと考えています。
資産形成は、そのすべてを支える重要な土台ですが、それ自体が人生の目的ではありません。
老後資金に不安を感じている方、貯金や投資をしているのに安心できない方、資産形成の「次」を考えたい方、そして人生後半にお金をどう使えば幸せなのかを考えたい方に、ぜひ読んでほしい一冊です。
YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、読書術、人生後半戦の生き方、定年後キャリア、資産形成、健康、AI活用などについて発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。
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では、今日もハッピーな1日を!【4181日目】








