『AIのトリセツ』
「AIは人類を支配しない。本当に怖いのは、人間がAIに思考停止で従うことだ。」― 生成AIが急速に普及する今、本書はAIを過度に恐れることも、過信することもなく、人間らしく付き合うための「取扱説明書」を示してくれる一冊です。
本日紹介するのは、1959年長野県生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業後、コンピュータメーカーでAI開発に従事し、2003年より株式会社感性リサーチ代表取締役社長として活躍する、脳科学・人工知能(AI)研究者・感性アナリストで、語感の数値化研究や感性分析の第一人者として知られ、『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』『夫婦のトリセツ 決定版』『60歳のトリセツ』『孫のトリセツ』など数々のベストセラーを執筆している、黒川伊保子(くろかわ・いほこ)さんが書いたこちらの書籍です。
黒川伊保子『AIのトリセツ』(扶桑社新書)
本書の冒頭で著者は、AIは「ことばのモンスター」であり、人間の感情を何倍にも増幅する「感情ブースター」だと表現します。その便利さに頼り切るのではなく、AIの特性と限界を正しく理解することが、これからの時代には欠かせないと説いています。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.AIの正体を見極める
2.AIとの付き合い方
3.AI時代に身に付けるべき「生きる力」
本書の前半では、AIの本質と限界について解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 生成AIは「ことば」を扱うシステムであるという本質
◆ AIには身体性という感覚が決定的に欠けていること
◆ AIが平気で極論や誤情報を生成する理由
◆ 人間のプロが無意識に行ってきた判断の価値
◆ AI時代にブルーカラーの価値が高まる可能性
この本の中盤では、AIとの上手な付き合い方が紹介されています。主なポイントは次の通り。
◆ AIを相談相手にする際の注意点
◆ AIの高い心理的安全性の活用法
◆ AIが嫌悪や対立を増幅させる危険性
◆ 子どもにAIをどう使わせるべきか
◆ AIがある時代でも学び続ける意味
本書の後半では、AI時代を生き抜くために必要な力について語られています。主なポイントは以下の通りです。
◆ AIに勝とうとしないという発想
◆ 若手人材の経験や勘をどう育てるか
◆ AI社会における仕事の変化
◆ 人間だからこそできる意思決定の価値
◆ 幸せとは何かを改めて問い直す重要性
本書の魅力は、AI開発に長年携わってきた著者だからこそ語れる、技術論だけではない「人間論」が展開されている点です。
生成AIを魔法のような存在として礼賛するのでも、脅威として必要以上に恐れるのでもなく、「AIは優秀な道具だが、最終判断は人間が行うべき」という極めてバランスの取れた視点が貫かれています。AIには身体感覚や人生経験がなく、人間のような納得感のある意思決定はできないという指摘も非常に印象的でした。
私自身も日々AIを活用し、研修や執筆、情報発信に取り入れていますが、本書を読み、改めて「AIを使いこなす力」と「AIに使われない力」の両方が重要だと感じました。これからAIを仕事や生活に取り入れたい方はもちろん、子どもや孫の世代にAIとの付き合い方を伝えたい方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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では、今日もハッピーな1日を!【4157日目】








