書評ブログ 『認知症でもひとり暮らし』 jun-ohsugi 2026年7月2日 / 2026年7月2日 「認知症になったら人生は終わり」「ひとり暮らしは無理になる」―。そんな世間の常識に真っ向から異を唱え、認知症も老いも受け入れながら、最後まで自由に生きる道を提案する一冊です。 本日紹介するのは、1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医、国際医療福祉大学教授、ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表、一橋大学国際公共政策大学院特任教授、川崎幸病院精神科顧問として活躍する和田秀樹さんが書いた、こちらの書籍です。 和田秀樹『認知症でもひとり暮らし』(明日香出版社) 和田秀樹『認知症でもひとり暮らし』(明日香出版社) Amazonで見る 本書は、「認知症になったら施設に入らなければならない」「高齢者は誰かに管理されるべきだ」という固定観念を見直し、認知症になっても自分らしく自由に生きるための考え方と具体策を示した一冊です。 この本の冒頭で著者は、「老いはひとりが勝ち」という刺激的なメッセージを投げかけます。高齢になると、多くの人が認知症や介護への不安を抱きます。しかし著者は、必要以上に恐れることこそが人生の自由を奪うと指摘し、認知症も老化現象の一部として受け入れるべきだと説いています。 本書は以下の8部構成から成っています。 1.死ぬまで自由に楽しむ 2.認知症は、ただの「老い」だ 3.ボケない人は、こう生きている 4.認知症が始まったら、病院選びを間違えるな 5.脳は、いくつからでも鍛えられる 6.ひとり暮らしは、やりたい放題でいい 7.どんなにボケても、ひとり暮らしはできる 8.どうせみんなボケるんだから 本書の前半では、認知症や老いに対する考え方の転換について解説されています。主なポイントは以下の通りです。 ◆ 認知症は特別な病気ではなく老化現象の一部である ◆ 認知症になったからといって人生が終わるわけではない ◆ 自由を失うことのほうが人生の質を下げる ◆ 好きなことを続けることが脳への最大の刺激になる ◆ 高齢期こそ「楽しむ」ことを優先すべきである この本の中盤では、認知症予防や脳を元気に保つための具体策が紹介されています。主なポイントは次の通り。 ◆ 人との交流が脳の活性化につながる ◆ 食事や運動習慣が脳機能維持に重要である ◆ 新しいことへの挑戦が認知機能低下を防ぐ ◆ 病院選びによって老後の生活は大きく変わる ◆ 過剰な薬物治療には注意が必要である 本書の後半では、認知症になった後も自立して暮らすための考え方が語られています。主なポイントは以下の通りです。 ◆ ひとり暮らしには自由と幸福感がある ◆ 家族や周囲が過剰に介入しないことも大切である ◆ 介護保険や地域サービスを上手に活用する ◆ 完璧を求めず「できること」に目を向ける ◆ どうせ誰もが老いるのだから前向きに生きる 本書を読んで印象に残ったのは、「認知症になっても人間としての価値は何も変わらない」という著者の一貫した姿勢です。 日本では認知症という言葉に対する恐怖感が強く、「診断されたら終わり」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし著者は、認知症になっても感情や個性は残り、人生を楽しむ力も失われないことを繰り返し強調しています。 また、「管理される安心」よりも「自由に生きる喜び」を重視する考え方は、人生100年時代を迎えた今、多くの人に新しい視点を与えてくれるでしょう。 とくに定年後を迎えた方や、高齢期の暮らし方を考え始めた方、認知症への漠然とした不安を抱えている方には、大きな安心感と勇気を与えてくれる内容です。 認知症を恐れるのではなく、自分らしく生きることを最優先に考える。そのためのヒントが数多く詰まった一冊としておすすめします。 YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、定年後キャリア、健康長寿、資産形成、人生後半戦の生き方について発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。 https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ では、今日もハッピーな1日を!【4137日目】 高齢社会・世界経済・長期予測