「お金がないから夢を諦める」――そんな時代を終わらせる、新しい資産形成の提案があります。
本日紹介するのは、1972年生まれ、日本大学経済学部卒業、中央大学専門職大学院修了(ファイナンス修士)の後、外資系生命保険会社を経て2007年に独立系の運用会社を起業するも、経営難により自ら設立した会社を離れるという挫折を経験。その後2011年に株式会社ベター・プレイスを創業し、2018年に「福祉はぐくみ企業年金基金」を設立、2024年には文部科学省より「アントレプレナーシップ推進大使」に任命され、全国の小中学校で講演・授業を行うなど、多方面で活躍を続ける森本新士さんによるこちらの書籍です。
森本新士『お金の心配がなくなる未来のつくり方
』(幻冬舎)この本は、「まっとうに生きている人が、お金の不安から解放される社会をつくる」という志を胸に、著者が立ち上げた企業年金基金の取り組みを軸に、未来の資産形成のあり方を問う一冊です。
本書は以下の6部構成から成り立っています。
1.君たちはどうお金と向き合うか
2.やさしい人がやさしいままでいられる世界へ
3.滴も集めれば大河となる
4.はぐくみ企業年金の広がり
5.日本という国の不都合な真実
6.お金を理由に夢を諦めなくていい社会へ
この本の冒頭で著者は、「稼ぐ力を養うための自分への投資は、決して惜しんではいけない。」と述べています。
本書の前半では、「お金は目的ではなく手段」という基本的な価値観から出発し、社会に対してまっすぐに生きる人々がなぜ経済的に報われにくいのか、その矛盾を掘り下げます。主なポイントは以下の通りです。
◆ お金が夢の実現を阻む“壁”になってはならない
◆ 助け合いの仕組みが崩れ始めた日本社会
◆ 保育や福祉など“やさしさ”を支える仕事が軽視されている
◆「やさしい人」が報われない社会は長く続かない
◆ 新しい資産形成の方法が必要だという提言
本書の中盤では、著者が実際に構築した「はぐくみ企業年金」の仕組みと、その成果について詳しく語られます。主なポイントは次の通り。
◆ 中小企業や福祉業界に特化した年金制度を構築
◆ 国の支援が得にくい業界への“裏方支援”の構造
◆ 年金制度を通じて“職場定着”と“やりがい”を両立
◆ 自助努力では限界があることを実感した現場の声
◆「企業と従業員がともに育つ」仕組みづくり
本書の後半では、日本社会全体が抱える年金制度の課題や構造的な問題に切り込み、誰もが希望を持てる社会のために必要な視点が示されます。主なポイントは以下の通りです。
◆ 日本の年金制度の限界と不透明性
◆ 批判を受けながらも“やるべきこと”を続ける覚悟
◆ 教育現場からお金のリテラシーを高める重要性
◆ 支え合いの社会をつくる「仕組み」こそが鍵
◆ お金を理由に夢を諦めない“仕組みづくり”が未来を拓く
この本の締めくくりとして著者は、「夢を持つためには最低限のお金が必要であり、その“安心の土台”を社会全体で築いていく必要がある」と読者に強く訴えかけています。
読み終えたとき、資産形成とは投資のテクニックではなく、「希望の仕組み」なのだと実感する一冊です。誰もが未来を諦めずに生きていける社会のために、本書が果たす役割は決して小さくありません。
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では、今日もハッピーな1日を!【3787日目】