「どうしてここまで何から何まで、矛盾のすべてが労働者にしわ寄せされるのだろうか。あの政策は迷惑をかけるが、この政策は・・・というような形で、政策ごとに不利益をこうむる対象が違っているのではなく、すべてが労働者に調整弁的役割が押しつけられている。こんなことだらけだから、若者は結婚できなくなっているのである。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、大西広さんが書いた、こちらの書籍です。
大西広『バブルと資本主義が日本をつぶすー人口減と貧困の資本論』(ちくま新書)
この本は、日本の様々な危機をもたらしている経済社会に関する全体的で深い洞察をマルクス経済学の枠組みで行っている書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.貧困がもたらす全国民的危機
2.貧困の原因を解明した『資本論』
3.バブルと貧困の解消を主張する経済学
この本の冒頭で著者は、『資本論』という経済書で扱われたのは「搾取」という経済的事実であって、まさしく「貧困」の原因であった、と解説しています。
本書の前半では、「貧困がもたらす全国民的危機」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 迫りくる人口減の認識は決定的に不十分
◆ 貧困化と株価・地価バブルの同時存在
◆ 迫りくる財政破綻という全国民的危機
◆ 地方経済の崩壊を期待する原発企業と軍事基地
この本の中盤では、「貧困の原因を解明した『資本論』」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 中間層の貧困化で始まった資本主義
◆ 資本主義の継続に必要だった貧困
◆ 奴隷・農奴と同じ現在の労働者
本書の後半では、「バブルと貧困の解消を主張する経済学」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 古くて新しい階級論
◆ バブルの原因を問う数理マルクス経済学
◆ 賞味期限切れの資本主義
この本の締めくくりとして著者は、「人口減という至極、全社会的ないし全民族的な問題を出発点に本書を組み立てた」と述べています。
あなたも本書を読んで、現代の人口減と貧困について、マルクス『資本論』の観点から、改めて考察してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3629日目】