「少子化に歯止めがかかりません、」「注目すべきは、その減少のペースです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、東京農工大学農学研究科修士課程修了後、東芝入社、さくら総合研究所、日本総合研究所、山梨総合研究所出向を経て、現在は日本総合研究所 調査部 上席主任研究員の藤波匠さんが書いた、こちらの書籍です。
藤波匠『なぜ少子化は止められないのか』(日経プレミアシリーズ)
この本は、「なぜ少子化となるのか、少子化は何をもたらすのか、そして私たちは何をしなければならないのか」ということを、さまざまな立場の人たちとの対話形式で示している書です。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.加速する少子化
2.なぜ子どもは減るのか
3.人口減少と経済縮小の悪循環
4.2030年までが最後のチャンス
5.やはり経済成長が不可
6.現金給付で少子化は改善するのか
7.経済を上向かせるためのポイント
8.女性の力をどう生かすか
9.子育てを「苦行」にしてはいけない
この本の冒頭で著者は、「少子化対策のあるべき姿や取りこぼしてきた課題を整理するとともに、私がたどりついた思いなどを示しました。」と述べています。
本書の前半では、「加速する少子化」「なぜ子どもは減るのか」および「人口減少と経済縮小の悪循環」について、以下のポイントを説明しています。
◆ わずか7年で20%以上減少した出生数
◆ 団塊ジュニア世代で非婚・晩婚が進んだ
◆ 2025年に出生数70万人割れも
◆ 少子化の原因は、今や非婚・晩婚ではなく、出生意欲の低下
◆ 未婚男性の5割近くが結婚相手の経済力を重視
◆ 非正規雇用の女性は結婚・出産に後ろ向き
◆ 団塊ジュニア世代は、40代後半の年収がその前のバブル世代と比べ150万円も低い
◆「経済的負担感から子どもの数は抑える」ことが少子化問題の一番の問題
◆ リーマンショック以降のヨーロッパはドイツの一人勝ちで出生率上昇、フィンランドなど他の国では経済状況が厳しく出生率が低下
この本の中盤では、「2030年までが最後のチャンス」「やはり経済成長が不可」および「現金給付で少子化は改善するのか」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 40代後半の年収差150万円は、生涯年収で2,000万円の差(子育て1人2,000万円)
◆ 非正規の女性は結婚・出産の意欲が低い
◆ 相変わらず犠牲になる女性のキャリア
◆ 最低限の経済的自立を
本署の後半では、「経済を上向かせるためのポイント」「女性の力をどう生かすか」および「子育てを苦行にしてはいけない」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 若い世代の所得水準は下がっている
◆ DX化や経済成長がなければ賃金は上がらない
◆ 2030年までがラストチャンス
◆ 中小企業の賃金引き上げがカギ
◆ 女性の力をどう活用するか
◆ 地方にも高度人材を受け入れる雇用が必要
◆ 子育てを「苦行」にしてはならない
◆ 大学の存在意義と学費問題
この本の締めくくりとして著者は、「少子化問題において変わるべきは、若い人ではなく、社会の枠組みの構築に力を持っている政治家などのリーダー層や企業経営者層、さらには子育て期を過ぎた多くの一般国民である。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「少子化問題」の本質を理解し、2030年までが最後のチャンスであるという認識を広めて行動していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3162日目】