「子供には一流大学を卒業してほしいし、将来は高い年収を得られるやりがいのある仕事に就いてほしいと願うだろう。それが親心というものだ。この本は、そのための実践の書である。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、外資系投資銀行でクオンツ、トレーダーを経て、現在は香港にて資産運用業を営むPhD、物理学研究者の藤沢数希さんが書いた、こちらの書籍です。
藤沢数希『コスパで考える学歴攻略法』(新潮新書)
この本は、「各家庭が中学受験と高校受験のどちらを選択するべきかのガイドライン」を示し、それぞれの選んだ道で「子供が学歴獲得競争で勝つための戦略」を論じている書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.たかが学歴 されど学歴
2.日本の高校までの教育レベルは高い
3.学校のカリキュラムは何を目的に作られているのか
4.中学受験はダービースタリオンだ
5.格安の公立中学からの高校受験ルートで学歴獲得両相に勝つ
6.日本の教育に足りないものを過程で補う
この本の冒頭で著者は、「日本の教育の本流としては、ほとんどの日本で育つ子供は、中学受験を経て中高一貫校から大学に進学するか、高校受験を勝ち武器進学実績のある高校から大学に進学するかのどちらかになる。」と述べています。
本書の前半では、「たかが学歴 されど学歴」および「日本の高校までの教育レベルは高い」をテーマとして、以下のポイントを説明しています。
◆ 卒業生の平均年収は偏差値が高いほど高い
◆ 日本の高校までの教育レベルは高い
◆ 東大入試の難しさは科目の多さ
◆ ビジネスや学術研究では総合点ではなく、一芸が大切
◆ 序列が固まり大学間競争がないから日本の大学教育はレベルが低い
この本の中盤では、「学校のカリキュラムは何を目的に作られているのか」および「中学受験はダービースタリオンだ」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 既存知識を身につける修士までと新しいことを見つけ人類に貢献する博士の研究は別物
◆ 学術研究と受験勉強では必要なマインドが真逆
◆ 中学受験はダービースタリオン
◆中学受験の費用は進学塾で300万円、私立中高一貫校で500万円の計800万円
◆ 中学受験は算数で差がつき、全科目の半分の勉強時間を占める
本書の後半では、「格安の公立中学からの高校受験ルートで学歴獲得両相に勝つ」および「日本の教育に足りないものを過程で補う」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 私立中高一貫校は公立進学高校に比べ平均で偏差値を3上げる
◆ 1000万円かけてリ室中高一貫校に通わせれば、ワンランク上の大学または浪人が現役になる程度の効果
◆ 東京は優秀者が中学受験で抜けるので高校受験の方が楽
◆ 高校受験層の弱点は数学の遅れ
◆ 英語ができない日本人
◆ まずは英単語1000語を正しい発音で
◆ 一番いいのは英語圏の現地校へ留学
◆ プログラミング教育は焦る必要なし
◆ 医学部や海外大学に行くという選択
この本の締めくくりとして著者は、「単なる工学の道具だとか数学のための数学ぐらいに思っていたそれぞれの数学分野が総動員され、この我々の自然を驚異的な精緻さで描き出す。」「この瞬間のために15年間勉強してきてとても良かったと心から思った。」と述べています。
この本は海外大学の博士課程を取得した著者が、研究者として、あるいはビジネスの第一線で活躍するまでに、日本の教育が受験勉強がどう役立つかを検証し、自分の子供の教育について考察しています。日本の中学受験や大学受験の仕組みや特徴、試験問題の攻略法が詳細に分析・解説されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、公立コースか私立中高一貫校コースかをコスパで比較し、学歴攻略法や日本の教育について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2979日目】