「がんになるのは突然です。まさに青天の霹靂。初めてのことですから、本人も家族も慌てふためきます。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、日本大学医学部を卒業後、自治医科大学消化器内科を経て、大阪国際がんセンターにて膵がんセンター内科系部門長を務め、現在は山口大学医学部附属病院腫瘍センター准教授、腫瘍内科医の井岡達也さんが書いた、こちらの書籍です。
井岡達也『がん治療 うまくいく人、いかない人』(幻冬舎新書)
この本は、がん患者を家族に持つ医師として、できるかぎりわかりやすく、そしてがんを患う方と家族の不安を少しでも取り除くことができるよう心を込めて書き上げられた書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.基礎編
2.情報編
3.事例編
この本の冒頭で著者は、「多くの方は、がん治療に慣れていません。」と述べて、次のような方々に読んでいただけたらと記しています。
◆ はじめて「がん」と告知され、不安にさいなまれている方
◆ 治療がうまくいっているのかどうか不安な方
◆ 最初の治療でいい結果が出ず、落ち込んでいる方
本書の前半では、「基礎編」として、以下のポイントを説明しています。
◆ 告知を受けるときは家族と一緒に
◆ 進行が速いがん、遅いがんがある
◆ 告知のときに確認すべきは、①どこのがんか?、②転移はあるのか?、③そしきけんさはしたのか?など
◆ 中心になるキーパーソンが必要
この本の中盤では、「情報編」として、収集すべき情報について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 病院と主治医の選び方
◆ かかりつけ医は病院選びの頼りに
◆ インターネットの「がん情報サービス」を使いこなす
◆ 心を整えるには、がん相談支援センター、患者会、看護師、精神科医
◆ 治療法について知る
◆ お金や生活の不安
◆ セカンドオピニオンは患者の権利
◆ 日々の記録(日記)をつける
◆ 先進医療の費用
本書の後半では「事例編」と題して、がん治療がうまくいく人といかない人の違いについて考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 医学的に証明された「民間療法」はない
◆ 行き過ぎた食事療法が栄養バランスを崩す
◆ 家族みんなで支える
◆ 後悔しないお金の使い方を
◆ 未来の仕事をモチベーションに
◆ 玉石混交のネット情報に振り回されない
◆ 医師との対立的なコミュニケーションは治療の質を落とす
◆ 楽観的にも悲観的にもなり過ぎない
この本の締めくくりとして著者は、「がんの治療にも多様性があってよい」と述べて、以下の通り、「がん治療 うまくいく人の10カ条」を紹介しています。
1.主治医を敵に回さない
2.同じ病院のネットワークや家族全員でとことん話し合う
3.治療は「高かろう、良かろう」ではない
4.うまい話し・「治る」話に飛びつかない
5.医師以外の医療者の名前も覚えよう
6.治療がつらいとき、それでも医療者を恨まない
7.ラクする経費を惜しまない
8.少し先の目標を上手くつくる
9.「周りに迷惑をかけたくない」と思い過ぎない
10.仕事(社会生活)を辞めない
あなたも本書を読んで、がん治療がうまくいく人、いかない人の違いを整理し、不安を乗り越えていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2934日目】