書評ブログ

『ヤング中高年 人生100年時代のメンタルヘルス』

「50~60代はまだまだ若いと言われていますが、この年代では体力・気力が低下するだけでなく、こころをともに「病む」人が多くなっています。」「また、介護や家庭の問題、ローンなどの金銭的負担ものしかかり、公私ともにストレスを抱える人が増えています。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1952年生まれ、早稲田大学教育学部卒業、ボストン大学大学院修士・博士課程修了、専門は健康心理学、応用健康科学で、現在は早稲田大学人間科学学術院教授、心理学博士竹中晃二さんが書いた、こちらの書籍です。

 

竹中晃二『ヤング中高年 人生100年時代のメンタルヘルス』(集英社新書)

 

 

この本は、ヤング中高年のこころを守り、ポジティブに生きる術を教授して、自分のことを知り、自分のメンタルをよくすることと併せて、自分とつながる他社のメンタルヘルスをよくする方法も知り、日常生活に活かせるようにしていくために書かれた書です。

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

1.ヤング中高年の困惑

2.日本のメンタルヘルス対策の現状

3.メンタルヘルス問題のプリベンション(予防)

4.メンタルヘルス・プロモーション

 

5.その他のメンタルヘルス・プロモーション

6.メンタルヘルス・プロモーション活動を習慣化させる

7.まわりの人のメンタルヘルスをよくする

8.コロナ禍におけるメンタルヘルス・プロモーション

 

 

この本の冒頭で著者は、「気持ちが若く、一見元気そう、でもどこかで不安を併せ持つ中高年を私は『ヤング中高年』と呼ぶことにします。」と述べています。

 

 

本書の前半では、ヤング中高年の困惑」および日本のメンタルヘルス対策の現状」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 部下の指導について困惑

◆ 7種類のストレッサー(ストレスの原因)

◆ 気分の不調で減る3つの活動(決まりきった活動、楽しみの活動、必要な活動)

◆ 予防の目を持つ

 

◆ メンタルヘルスケアは継続的かつ計画的に

◆ 対象者の特徴に応じた予防戦略

◆ メンタルヘルスは良い、悪いの二択ではなく、グラデーション

◆ プリベンション(予防)とプロモーション(促進)

 

 

この本の中盤では、メンタルヘルス問題のプリベンション(予防)」「メンタルヘルス・プロモーション」およびその他のメンタルヘルス・プロモーション」について考察しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ ストレスへの5つの対処法の第1は、認知的方略(合理的・楽観的に)

◆ 第2は、対処資源の増強(体力増進、よい人間関係構築)

◆ 第3は、リラクセーション・アクティベーション

◆ 第4は、臨床的処置

◆ 第5は、一時的避難

 

◆ポジティブ・メンタルヘルスの5要素は、①人生を楽しむ能力、②挑戦的課題に対処する能力

◆ ③情動的な安寧、④精神的価値、⑤社会的つながり

◆ こころのABC活動(Act、Belong、Challenge)

◆ その他の5項目は、①自助方略、②身体活動を取り入れた行動活性化

◆ ③ミーニングフル・アクティビティ、④ライフスタイルの変容、⑤週末の過ごし方

 

 

本書の後半では、メンタルヘルス・プロモーション活動を習慣化させる」「まわりの人のメンタルヘルスをよくする」およびコロナ禍におけるメンタルヘルス・プロモーション」について解説しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 活動の優先順位を上げる

◆「イフ・ゼン・プラン」を使って習慣化する

◆ 自己肯定方略、行動方略、認知的方略の3種類

◆ 他者へのABC活動

 

◆ パワハラ防止の Stop-Relax-Think という感情調整

◆ コロナ禍のメンタルヘルス・プロモーション

◆ 医療従事者へのメンタルヘルス・プロモーション

◆ メッセージポスターの掲示

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「過去にとらわれず、将来についてあまり深く考えないでいくらか楽観しながら、今の生活に集中して生きることしかありません。」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、メンタルヘルス・プロモーションについて考え、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2932日目】