「定年が見えてきたオジサンたちの多くは、定年後に漠然と不安を抱いている。会社に行かなくなったら、毎日、どこへ行き、何をすればいいのか。この答えを見つけなければ長い自由な時間をひたすら持て余し、『ひとりぼっち』の老後になりかねない。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1962年東京生まれ、慶應義塾大学文学部卒、中日新聞社(東京新聞)に入社、静岡総局、東京社会部などを経て、1995年から東京政治部、首相官邸や与野党、総務省、外務省、防衛相を取材、論説委員、編集局デスク長を務め、2018年より東京新聞政治部長を歴任した清水孝幸さんが書き、1949年名古屋市生まれ、南山大学外国語学部卒、デザインプロダクション勤務ののちフリーとなりイラストや漫画を手掛けている佐藤正明さんがイラストを担当した、こちらの書籍です。
清水孝幸(著)・佐藤正明(イラスト)『定年が楽しみになる! オヤジの地域デビュー』(東京新聞出版局)
この本は、近所に知り合いもいないオジサン記者の著者が、地域で仲間と居場所をつくろうと、様々なことに挑戦する奮闘記で、東京新聞で2014年6月から2015年10月まで計50回連載、さらに2017年から続編を連載した記事から厳選・再構成して書籍化したものです。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.サークル編【仲間づくり】
2.趣味講座編【学ぶ・習う】
3.地域のイベント編【楽しむ】
4.ボランティア編【役に立つ】
この本の冒頭で著者は、「妻に頼らず、自立して楽しい定年後を過ごすには、仕事に代わる『趣味・イベント・ボランティア』を見つけ、上司・同僚・部下に代わる『仲間』をつくり、そして、会社に代わる『居場所』を見つけるほかない。」と述べています。
本書の前半では、「サークル編【仲間づくり】」について、次のポイントを説明しています。
◆ 社会教育会館の将棋サークルで地域デビュー
◆ 地域スポーツクラブのカヤック部でひとりカヤックに挑戦
◆ 魚料理を学ぶサークル体験会で寿司を握る
◆ ラテンダンス・サルサのサークルでダンスパーティーへ
この本の中盤では、「趣味講座編【学ぶ・習う】」について解説しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 社会教育会館の料理教室に参加
◆ 料理教室でお菓子づくり、スイーツづくりにも挑戦
◆ 歌舞伎体操の体験講座
◆ シニアセンターで中高年向け講座、ヨガや健康吹き矢
◆「中高年のための健康づくり講座」や「区民が講師になるゆめ講座」
◆ 区民カレッジの「学びのコース」「シニアコース」で生涯学習
◆ プレゼント用に「手芸」に挑戦
◆ 妻の「マラソン応援」も
本書の後半では、「地域のイベント編【楽しむ】」および「ボランティア編【役に立つ】」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 地元の銭湯に通い、常連さんを目指す
◆ マンション管理組合で防災訓練
◆ 妻と「終活セミナー」に参加
◆ ラジオ体操会で「希望の朝」
◆ 国際交流サロンで外国人と交流
◆「おにぎ隣人祭り」と「盆踊り」
◆ 区民マラソンで万感のゴール
◆「防災の日」の防災訓練で、避難所づくり
◆ プレイ(遊び)とスタディー(勉強)を合わせた「プレディー」制度
◆ 絵本セラピーのボランティア
◆ 小学校の校庭遊びや街の清掃ボランティア
◆ バザーや「老老奉仕」、認知症サポーター、イベントスタッフも
この本の巻末に、元文部科学省の寺脇研さんによる「解説」が掲載されています。寺脇さんは35歳の時に、文部科学省に勤務時代、新設された生涯学習局生涯学習振興課の初代課長補佐に自ら希望して就任した方です。
著者の清水孝幸さんの地域デビューへの取り組みを、「生涯学習体験記」と称しました。とくに、公民館や社会教育会館の「趣味講座」を「はじめの一歩」として著者が勧めていることを喜んでいます。
あなたも本書を読んで、定年後の「仲間」や「居場所」をつくるために、地域デビューに挑戦してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2921日目】