「私は、今の世の中で集中力を身につければ、ほかの多くの人たちに差をつけることができると考えています。」と述べて、集中力を高める独自のメソッドを紹介している本があります。
本日紹介するのは、1958年三重県生まれ、東京大学法学部卒業、旧・日本長期信用銀行入行、野村證券投資信託を経て、司法試験合格、弁護士登録をして、平均的弁護士の約10倍の案件を処理する傍ら、各種行政委員会委員等も歴任、元SBI大学院大学教授の荘司雅彦さんが書いた、こちらの書籍です。
荘司雅彦『すぐに結果を出せる すごい集中力』(秀和システム)
この本は、著者が勉強や仕事に取り組む際、どんな方法を用いて集中してきたか、普段どうやって集中力を高めてきたかを、自身の経験、さらには娘と二人三脚で挑んできた中学受験の経験も踏まえて、わかりやすく具体的に伝えてくれる書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.机に向かって「秒」で集中するための技術
2.アウトプットで集中を「習慣化」させる
3.集中するためには「環境」が何よりも大切だ
4.集中力を高める「アイテム」を使いこなそう
5.「なぜ集中できないのか?」をQ&Aで解決
この本の冒頭で著者は、「集中を妨げるモノがあふれる時代に、ちょっとした努力で集中力を身につけることができれば、あなたの人生は大きく変わると私は信じています。」と述べています。
本書の前半では、「机に向かって秒で集中するための技術」について、以下のポイントを説明しています。
◆ フロー(ゾーンに入る)は人間にとって快適な状態
◆ プロでも数分しか集中できない
◆「持久」している時間の中に「集中」を振り分ける
◆ 読書を習慣にして持久力を鍛える
◆ 瞑想で「集中」時間を増やす
◆「集中脳」を作るために大切な「5分間」
◆ 学習効果逓増の法則で、ある日突然、新境地にたどりつく
◆ タイムリミットの設定が集中力を高める
◆「スキャニング」で速読効果と集中効果を得る
◆「スケジューリングの誤謬」に注意
この本の中盤では、「アウトプットで集中を習慣化させる」および「集中するためには環境が何よりも大切だ」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 習慣には恐るべき威力がある
◆ 学習効果はアウトプットの繰り返しの方が効果がある
◆ タスクを習慣化させる「マトリクス計画表」
◆ 入門書レベルの知識をどんどんアウトプット
本書の後半では、「集中力を高めるアイテムを使いこなそう」および「なぜ集中できないのか?をQ&Aで解決」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 着手する時が最もパワーがいる
◆ カフェ、音楽、ラジオは集中力を奪う
◆ 集中する環境が大切(大学の図書館・自習室など)
◆ 椅子や寝具など体重を支える家具にはお金をかける
◆ 靴やスーツは自営業者なら信用にかかわる
◆「マルチタスク幻想」を捨てる
◆ 中途半端な中断こそ、かえって効果的
◆ わからないところは読み飛ばしてOK
◆ アウトプットではブログを活用して時間を浮かす
◆ 村上春樹でさえ手直しを前提に書いている
この本の「あとがきに代えて」として著者は、「妻が、国立がんセンター中央病院でのがんとの闘病、担当医による全快診断の3週間後に、緊急搬送されて帰らぬ人となってしまったという、私の人生で最も辛くて悲しい出来事がありました。」と述べています。
その後、「人の役に立つこと」を使命だと思っていた著者は、書籍を通じ少しでも誰かの役に立てればと思い直して、本書を執筆したそうです。そして最後に、「本書を、30年間苦楽を共にしてくれた亡妻和子に捧げるわがままをお許しください。」と記しています。
奥様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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では、今日もハッピーな1日を!【2891日目】