「私は『要約力』こそが生きる力の基本であり、人と人とがコミュニケーションする時の必須条件と考えています。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1960年生まれ、東京大学法学部卒、同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在は明治大学文学部教授(専攻は教育学、身体論)の斎藤孝さんが書いた、こちらの書籍です。
斎藤孝『頭がよくなる! 要約力』(ちくま新書)
この本は、情報を短い時間で処理する能力である「要約力」の鍛え方を学ぶための書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.今こそ必要な「要約力」
2.「要約力」こそが生きる基本である
3.「要約力」がない人のための基本技
4.「要約力」トレーニング
5.さらに高い「要約力」
この本の冒頭で著者は、「なぜ『要約力』が必要なのか、その理由について考えてみましょう。」と述べて、以下の3つの理由を挙げています。
◆ 人を幸せにできる
◆ 人をひきつける
◆ 人の役に立つ
本書の前半では、「今こそ必要な要約力」および「要約力こそが生きる基本である」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 的確に要約できる「要約力」は社会で生きていくうえでもっとも大切な力
◆ キーワードを設定できるかどうかで、「要約力」のレベルが判定できる
◆ 聞き上手な人は「要約力」にすぐれている
◆ コミュニケーションの前提となるのは、基本知識の共有(基本知識の要約は有益)
◆「要約力」があれば的確な状況把握ができる
◆ 内なる「要約力」を鍛える
◆ 成功者の重要なポイントは本質をつかむ力(=要約力)
◆「要約力」は定義に行き着く
◆ モヤモヤの「フェルトセンス」を言語化すれば悩みは解決する
この本の中盤では、「要約力がない人のための基本技」および「要約力トレーニング」について紹介・解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 要約するには準備タイムが必要、冒頭に共通項を話す
◆ 最初のところを長くしない
◆ スタートとゴールを決め、置き石を置く
◆背骨を見つけて肉付けする
◆ 置き石の代わりにキーワードを置く
◆ キーワードの中のパワーワードを入れ込む
◆ ゴシック体で会話してみる
◆ グラフに注目すると究極の要約になる
◆ イラストはそれだけで要約になる
◆ 困ったときの裏技(結論から先・箇条書き・目次をつくる・問いで見出し・比較対照)
◆ A41枚の紙にまとめる
◆ コボ」ちゃん作文トレーニング
◆ 15秒近況報告トレーニング
◆ 英語長文の骨格をつかむトレーニング
◆ 映画ストーリーを起承転結で話すトレーニング
◆ ドラマ、アニメ、小説の要約トレーニング
◆ 教科書を使って概念を要約する
◆ 自分のプロフィールをつくる
◆ 商品やお店の紹介文
◆ 字数の制約(俳句・短歌など)
本書の後半では、「さらに高い要約力」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 主観と客観のバランス
◆ めざすは「要約力」+「コメント力」
◆ 要約に感想をつけると一段上の要約になる
◆ 3つつなげて。独自の視点をつくる
この本の締めくくりとして著者は、「実はみなさんは全員が『要約力』を持っているのです。」と述べています。それは、学校での勉強こそが、要約することだったからです。
あなたも本書を読んで、現代社会を生き抜くすべてに通じる力である「要約力」を高め、幸せな人生を生きていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2890日目】