書評ブログ

『グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学』

「資本主義の崩壊後に、我々はどうしたらよいのか。私は、これからの世界を救うのは、ガンディーの経済学ではないかと考えている。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1957年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業、日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授で、50年間集めてきたコレクションを展示するB宝館(埼玉県所沢市けやき台2-32-5)が話題の森永卓郎さんが書いた、こちらの書籍です。

 

森永卓郎『グローバル資本主義の終わりとガンディーの経済学』(集英社インターナショナル新書)

 

 

この本は、「近所の人が作った農産物を食べ、近所の人が作った服を着て、近所の大工さんが建てた家に住む。そうすれば、その地域に雇用が生まれ、経済が回り出す。」という地域内経済を広げていけば、世界から貧困をなくせると考えたガンディーの経済学を具体的にどう実践していけばよいのかを記した書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.壊れ続ける地球

2.壊れ続ける庶民の暮らし

3.原因は資本主義

4.ハードランディングは避けられない

5.人と地球を救うガンディーの経済学

6.新しいライフスタイル

7.MMTとベーシックインカム

 

 

この本の冒頭で著者は、「地球が壊れ始めている。そのことに薄々気づいている日本人は、少なくないはずだ、」と述べています。

 

 

本書の前半では、壊れ続ける地球」および壊れ続ける庶民の暮らし」について、次のポイントを解説しています。

 

◆ 地球環境の悪化と原発再稼働へ進む日本

◆ 格差大国、日本

◆ グローバル資本による人権侵害

◆「ギグエコノミー」で働く人の末路

 

 

この本の中盤では、「原因は資本主義」「ハードランディングは避けられない」および人と地球を救うガンディーの経済学」について説明しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ モンサント社による「強力な除草剤」および「遺伝子組み換え種子」のセット被害

◆ 日本で禁止となった「ポストハーベスト」

◆ ピケティが提唱する資本収益率>経済成長率

◆ 東京という怪物を生み出した資本主義

 

◆ 大きなバブル70回以上、必ず崩壊する

◆ 新型コロナウイルスがバブル崩壊の引き金に

◆ 目前に迫った首都直下地震

◆ 首都直下地震が襲うだけで日本は発展途上国へ転落

 

◆ 近くの人を助けるガンディーの経済学

◆ スワデーシー運動は、国産あるいは地元産を消費する運動

◆ エシカル消費は、フェアトレード、フードマイレージ、オーガニック、地産地消など

◆ 自分の食べるものは自分で作る

 

◆ フルオーダーが日本のモノづくりの生き残り策

◆ 消費者の多様化とIT技術の進化による省力化がフルオーダーを可能に

◆ ネット販売の急成長

◆ 急増する東京の空き家と「グリーンベルト構想」

 

 

本書の後半では、「新しいライフスタイル」およびMMTとベーシックインカム」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 75歳まで働き続けろという国策

◆ 男性の7割以上、女性の5割以上が70歳まで働き続けないと年金制度は維持できない

◆ ライフスタイルの選択は、①大都市居住、②トカイナカ暮らし、②田舎暮らし

◆ 通貨発行益を活用したベーシックインカム

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「私は『夢を持ってはいけない』と言い続けている。いつかできたらいいなということは、一生できない。毎日一センチでもいいから、前進し続けることが重要なのだ。」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、グローバル資本主義の次に来る利他主義を体現する「ガンディーの経済学」を学び、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2838日目】