「話を聞く側が人の話を集中して聞けるのは、1分が限界です。『1分以内に、何をどう伝えるか』が勝負です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、広島県生まれ、江崎グリコを経て管財商社に入社、30代前半で取締役になり、その後独立して企業向けコンサルタントや研修講師として活躍する株式会社CHEERFUL代表取締役、1分トークコンサルタントの沖本るり子さんが書いた、こちらの書籍です。
沖本るり子『人を動かしたければ1分以内で伝えろ!』(知的生きかた文庫)
この本は、ビジネスの現場でよくある具体的なシチュエーションのなかで、どう話せば相手に聞いてもらえるのか、その伝え方、話し方をまとめたものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.部下に声を掛ける やる気を引き出し、チーム力を高める!
2.部下をほめる/叱る 部下が育つ言葉の力
3.部下に頼む 組織を強くするリーダーのひと言とは?
4.部下の話を聞く 聞く力はできるリーダーに必須のスキル
5.リーダーとして意見を言う どのように伝えるかで結果は大きく変わる!
この本の冒頭で著者は、「リーダーとして、上司や部下、社外の方など、いろいろな人を相手に「伝わる話し方」ができる人になっていただければうれしいです。」と述べています。
本書の前半では、「部下に声を掛けて、やる気を引き出し、チーム力を高めること」について、伝わる話し方のポイントを以下の通り説明しています。
◆ 主語は「あなた」でなく「私」に
◆ 求められるまで、アドバイスはしない
◆ あいさつは自分からする
◆ 役職ではなく、名前を連呼する
続いてこの本の中盤では、「部下をほめる/叱る」ことおよび「部下に頼む」ことにおける言葉の力やリーダーのひと言について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ ほめるときは、短く、端的に
◆ 叱る前に、まずは事情を聴く
◆ 部下の「ごまかし」をなくす
◆「感情」を「感情」で抑えてはいけない、相手の言葉を反復して落ち着かせる
◆ 丁寧な「依頼」と「感謝」を
◆ 部下の有給休暇の取得に協力する
◆ 残業を必要とする「理由」を話す
◆ 部下の個性を殺さずに「会社の方針」を意識させる
本書の後半で著者は、「部下の話を聞く」ことおよび「リーダーとして意見を言う」ことについて、次のようなポイントを解説しています。
◆ 具体的な質問を重ねて「わかりやすい報告」を導く
◆ トラブルが起きたら、「原因」よりまず「対応」を考えさせる
◆「指示待ち部下」を「逆質問」で変えていく
◆ 部下に「良い部分」「悪い部分」を隠さずに伝える
◆ 社外の自己紹介は、30秒~1分で
◆ オンラインでの自己紹介は、名刺代わりに最低限のことを話す
◆ 相手の意見を認めて、反対意見を述べる
◆ 他部門との連携には、まず相手の都合を考える
この本の各章の最後には、以下通り、「1分以内に話をまとめる4つの型」というテーマで「COLUMN」が掲載されていて参考になります。
1.結果法
2.両面法
3.なぜなら法
4.2、3個法
本書の締めくくりとして著者は、「聞き手は常に、自分に都合よく考えます。むしろ『正しく伝わる』と考えないほうが安全です。」と述べています。
それゆえ、できるだけリーダーから、頻繁に声を掛けることをお勧めします、著者は言います。
あなたもこの本を読んで、オンラインでもオフラインでも人間関係が劇的によくなり、成果も劇的に変わる「1分以内で伝える」極意を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2557日目】