「デジタル時代には、スマホなどのデジタル・ツールの使い方が上手になることも大事ですが、『ツールを使って何をするか』は、もっと大事です。データ分析のスキルはデジタル仕事術の根幹です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1955年東京都生まれ、東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業、博士(政策研究)で、1980年大蔵省(現・財務省)入省、内閣府参事官(首相官邸)などを歴任した後、現在は株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授の髙橋洋一さんが書いた、こちらの書籍です。
高橋洋一『高橋橋洋一式 デジタル仕事術』(かや書房)
この本は、大蔵省(現・財務省)、首相官邸において首相のブレーンとして活躍してきた著者が、どのようにデジタル機器(ガジェット)を使い、理系脳で仕事をしてきたかを分かりやすく紹介し、AI時代の「デジタル仕事術」について述べている書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「ユーチューブ」チャンネルを始めてわかったこと
2.スマホがあれば、どこでも仕事ができる
3.私の行っているデジタル仕事術
4.習うより慣れろ! エクセルで実際にグラフを描いてみよう
5.データ分析を使ったデジタル仕事術 グラフのコツを大公開
6.デジタル仕事術には、セキュリティとトラブル対応も必要
7.究極的なデジタル仕事術のためにはプログラミングを学ぶのが必要
この本の冒頭で著者は、ユーチューブチャンネルを始めてみてわかったこととして、今後は個人が直接、情報発信をする時代になり、間に入って中抜きをすることでビジネスをしていた事業者が不要になる、と指摘しています。
広告代理店も、メディア自体もいらなくなる、ということです。もともとメディアとは「中間」という意味で、まさに中抜きで情報発信・受信ができる社会になれば、メディアの存在価値はなくなる、と著者は言います。
続いて本書の前半では、スマホだけで仕事ができること、および著者の実践している「デジタル仕事術」について公開・解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ YouTubeは儲かる仕組みになっている
◆ 自分がネタ元にならないと、YouTubeでもやっていけなくなる
◆ オンライン会議はスマホを使うのが一番ラク
◆ スケジュール管理はGoogleカレンダー
◆ 図表は2時間、文章は1時間で書く、図表から先に作る
◆ 新聞は2次情報だからまったく読まない
◆ 情報収集は省庁、国際機関の統計情報を見ている
◆ 原稿はすべてデジタル化して検索可能にしている
この本の中盤では、エクセルで実際にグラフを書いてみること、およびデータ分析を使った仕事術について書かれています。
エクセルは慣れれば簡単に使いこなせるし、時間もかかりません。また自らグラフを書くことで、自分で考えて解釈することになるため、グラフが書ければ文章も書ける、と著者は説明しています。
著者が提唱するコツは以下の通りです。
◆データ分析とグラフは「習うより慣れろ」
◆ 相関係数(R)で関係性を判断する
◆ 相関関係と因果関係は異なるが、推測するヒントはある
◆ 対数の考え方を使えば、「割り算」は「引き算」に置き換えられる
◆ 関係性を調べるためにグラフで確認する
◆ 予測して検証するためにグラフ化する
◆ どの数字を使うか検証するためにグラフ化する
◆ コロナの世界比較は、対数グラフを使うのが標準
◆ コロナの経済への影響は、行動制限指数と財政支援で読み解ける
◆ 民主主義指数とコロナ死者の関係も分析できる
◆ 表を作るときのポイントは、過不足なく分けること
◆ 10年後には新聞発行部数がゼロになるという予測も可能
本書の後半では、「デジタル仕事術のセキュリティとトラブル対応」および「プログラミングの必要性」について説明しています。主なポイントは次の通り。
◆ AIは単なる「プログラムの塊」
◆ プログラムが分かれば、アプリのことも理解できる
◆ 経営者にもプログラムの理解が必要な時代
◆ 完璧だと思っていても、思わぬことが起こるのがプログラム
あなたも本書を読んで、数量経済学者。トップユーチューバー、スーパー知識人の高橋洋一さんの「デジタル仕事術」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2552日目】