書評ブログ

『これからのテレワーク-新しい時代の働き方の教科書』

「今までの日本企業で求められてきたものが、アフターコロナで大きく変わる可能性があります。組織の在り方や雇用のされ方なども変わってくる時代の波で生き残るためには『テレワークで仕事ができること』が、ビジネスマンにとって大きな武器になるでしょう。」と述べて、テレワークに必要な力を主にソフト面に焦点を当てて解説している本があります。

 

 

本日紹介するのは、日本オラクル株式会社(旧サン・マイクロシステムズ株式会社)サポート・サービス部門に23年間勤務し、様々な業務改善の実績を上げ、2013年に独立して現在はカスタマーズ・ファースト株式会社代表取締役、人材育成コンサルタント、産業カウンセラー片桐あいさんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

片桐あい『これからのテレワーク-新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社)

 

 

この本は、テレワークができれば、副業、複業、独立、定年後のフリーランスなどの際、自分の価値を見せる化でき、自分に値段がつけられ、それを積極的にアピールすることが可能になる、として、「テレワーク」という働き方によって仕事で成果を出し、自分の仕事上の価値を高めるためのヒントを提供している書です。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.テレワークのメリット・デメリットと求められる3つの力

 

2.テレワークで評価されるための5つのマインドセット

 

3.「セルフマネジメント力」を高める8つのポイント

 

4.「マルチコミュニケーション力」を高める6つのポイント

 

5.「成果の見せる化力」を高める6つのポイント

 

6.さらに成果を上げる「ビジネスコミュニケーションスキル」を高める7つのヒント

 

7.マネージャー必読! テレワークがうまくいくための5つの準備

 

 

 

この本の冒頭で著者は、テレワークを実施することでの一番のメリットは、通勤時間というストレスから解放されること、と述べています。

 

 

 

通勤時間がなくなれば、個人のストレス軽減から企業の在り方、社会問題の軽減など様々なメリットがある、と著者は言います。

 

 

 

さらにテレワークを実施することで得られるメリットとして以下のことを挙げています。

 

 

◆ 休み時間の有効活用

 

◆ ワークライフバランスを取れる

 

 

 

一方で、テレワークには次のようなデメリットもあることに留意する必要があります。

 

 

◆ 誘惑に負けて仕事が進まない

 

◆ 離れている人と情報交換がしにくい

 

◆ 見られていないと評価されにくいと思う

 

 

 

もともと、外資系IT企業では、四半世紀前からテレワークを導入していて、在宅勤務のエンジニアが当時の電話とメールを使って仕事をしている時代を「テレワーク1.0」と著者は呼んでいます。

 

 

 

次に、インターネットが普及し、通信回線も整い、WebやチャットやSNSが爆発的に広がった今のネット社会において、パソコンやスマホがあれば、営業がオフィスに寄らずに、社内インフラにアクセスして仕事をする「テレワーク2.0」に移ってきました。

 

 

 

そして、新型コロナウイルス影響で多くの企業がテレワークを導入する中で、テレワークを利用する人の気持ちやルールなどのソフト面も整える「テレワーク3.0」の時代に入り、本書ではこの「ソフト面」に焦点を当てて、テレワークという働き方を考察しています。

 

 

 

以上のことを踏まえ、「テレワーク3.0」時代に求められるのは次の「3つの力」です。

 

 

1.セルフマネジメント力

 

2.マルチコミュニケーション力

 

3.成果の見せる化力

 

 

 

続いて、テレワークで評価されるためのマインドセットとして、本書では以下の5つを挙げています。

 

 

◆「サボっているかも?」と思われないよう、仕事の成果を出し、信用と信頼を勝ち取る

 

◆ 自分のことは自分でできるようにして、ノンテレワーカーに迷惑をかけない

 

◆ チームが離れているからこそ、仕事の目的やゴールを共有、自分の強みを明確にする

 

◆ 会社や社会から「求められている人材像」を意識し、様々な視点を持って仕事に取り組む

 

◆ 新たな自分を磨く経験えお積み重ね、強力な仕事のスキルに変える

 

 

 

本書の中盤では、テレワークに必要な「3つの力」-➀セルフマネジメント力、②マルチコミュニケーション力、③成果の見せる化力のそれぞれを高めるためのポイントを解説しています。

 

 

 

まず「セルフマネジメント力」については、次の8つのポイントがあります。

 

 

◆ 誘惑に負けない精神力を鍛える

 

◆「自分のありたい姿」を常に持つ

 

◆ 現状を正しく冷静に把握する

 

◆「自分の状態管理」を行う

 

 

 

◆「休み時間」を有効に活用する

 

◆ ルーティーンをつくる

 

◆ 仕事の「チェックポイント」を設ける

 

◆ ときには「強制終了」する

 

 

 

次に「マルチコミュニケーション力」については、以下の6つのポイントを著者は提示しています。

 

 

◆ 多様な人・ツール(=電話、メール、チャット、オンライン会議システム)を使い分け連携する

 

◆ 仕事の関係者との信頼関係を再構築する

 

◆ 仲間の状況を理解し、「お互い様文化」を醸成する

 

◆ ノンテレワーカーとの情報格差をなくし、情報を共有する

 

◆ 情報共有の仕組みを理解し、効率を高める

 

◆ 職場での「テレワークのルール」を決めて全員の合意を得る

 

 

 

最後に3つめの「成果の見せる化力」を高める6つのポイントを以下の通り、著者は挙げています。

 

 

◆ 仕事時間は「オンライン状態」にしておく

 

◆「考える時間」と「作業の時間」を分けて管理する

 

◆ 仕事の成果は「短期」と「長期」(=企業理念・ミッション・ビジョン)で分けて管理する

 

◆ 仕事の成果は、上司に分かりやすい「数値化」して見せる

 

◆「タスクリスト」を作って実績を書き込んでおく

 

◆ 上司のタイプ(正義の人・貢献の人など9タイプ)をつかんで、効果的なアピールをする

 

 

 

本書の後半では、さらに成果を上げる「ビジネスコミュニケーションスキル」を高める7つのヒントを、次の通り挙げて説明しています。

 

 

◆ スケジュールを共有し、「集中タイム」と「報連相タイム」を決めておく

 

◆ 仕事の目的に合った「コミュニケーションツール」を使い分ける

 

◆ オンライン会議では、ファシリテーターが事前にアジェンダを共有しておく

 

◆ オンライン会議では「カットイン」スキルを使って、言いたいことを言う

 

 

 

◆ オンライン会議のプレゼンテーションでは、「こっくりさん」を見つけて話す

 

◆ オンラインでの交渉は、まず相手への「傾聴」を意識する

 

◆ オンラインでの面談は、テーマを設定して、相手が準備の時間を取れるように配慮する

 

 

 

この本の最後で著者は、テレワークがうまくいくための「5つの準備」を、以下の通り提示していて、マネージャーは必読です。

 

 

1.テレワークを始めるための「コミュニケーションツール」を特定し、ルールを設定する

 

2.「情報管理ツール」を決めて準備する

 

3.快適なテレワークのため、4つの「自宅環境」(=➀ワーキングスペース、②デバイス、③椅子、④家族との調整)を整える

 

4.「社内規定」の見直しで、社内の公平性を保つ

 

5.部下の「安全配慮義務」を怠らない

 

 

 

新型コロナウイルスの影響で、多くの企業がテレワークを導入し、今も継続している事例も多く聞かれます。

 

 

 

外資系IT企業で20年以上働き、テレワークで実績を上げてきた著者の片桐あいさんによる、超実戦的導入メソッドは多くの企業で活用できる「テレワーク3.0」時代に有効なノウハウを公開した本書は、ぜひ推薦したい一冊です。

 

 

 

あなたもこの本を読んで、新しい時代の働き方である「これからのテレワーク」について学び、実践してみませんか。

 

 

 

2020年7月5日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第146回】新しい働き方「これからのテレワーク」にて紹介しています。

 

 

 

 

 

毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

 

 

では、今日もハッピーな1日を!【2407日目】