「認知症予防は、以前から世界中で大規模な疫学調査や研究が続けられ、『食生活の改善』『積極的な運動』『趣味や社会参加などの知的活動』などが予防によい影響をもたらすことが解明されつつあります。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1968年神奈川県生まれ、帝京大学医学部卒業で、医学博士、ふれあい鶴見ホスピタル副院長、湘南医療大学保健医療学部臨床教授で、脳神経外科医の石井映幸さんが書いた、こちらの書籍です。
石井映幸『認知症になる人、ならない人の生活習慣』(成美文庫)
この本は、「認知症の約3分の1は、生活習慣の改善など、生涯を通じて脳の健康のために意識的に行動することで予防できる」ことを紹介・解説している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.今からはじめる認知症予防
2.認知症予防と食生活
3.認知症予防と運動・睡眠
4.認知症予防と知的活動
5.「老い」を受け入れる
この本の冒頭で著者は、「認知症予防を始めるなら早いに越したことはありませんが、思い立った『今』から始めるのが大切です。」と述べています。
実際に高齢になるほど認知症は増えていて、85~89歳で41.4%、90~94歳で61%、95歳以上で79.5%が認知症を発症するという国のデータもあるそうです。
また、認知症には複数のタイプがあり、その混合型も含めると様々なタイプがあります。主なタイプは以下の通り。
◆ アルツハイマー型認知症
◆ レビー小体型認知症
◆ 血管性認知症
さらに、認知症の前段階としてMCI(小神経認知障害=Minor Cognitive Disorder) という診断もあり、認知症の予防として、生活習慣の改善を早くから進めたほうがいい、と言われています。
認知症の予防は、成人病の予防と共通することが多く、以下の3つが柱になります。
◆ 食生活の改善
◆ 積極的な運動
◆ 趣味や社会参加などの知的活動
食生活では、「糖質、脂質、塩分を控えて、たんばく質や野菜を多く摂る」ことを日本人は心がけるべきだ、と著者は述べています。
また、歯周病は認知症のリスクを上げることから、「歯」をしっかりケアして大切にすることも、誤嚥を防ぐ、咀嚼回数を落とさないことで脳に刺激を与え続ける、などの理由でポイントになる、ということです。
さらに、フレイル(虚弱)、ロコモーティブシンドローム(骨や関節など運動器の障害)やサルコペニア(骨格筋肉量の減少による身体的フレイル)により、寝たきりの状態になると認知症は一気に進行する、と言われています。
続いて、運動や睡眠についても認知症予防には密接な関係があり、脳の健康のためには若い頃からの運動の継続が重要で、睡眠は「脳の大掃除」でもあるため質の良い睡眠も重要になります。
認知症予防の3番目として、「元気の秘密は、人生を楽しむこと」というのがあり、興味関心のあることにワクワクしながらチャレンジし続ける、知的好奇心と行動力がポイントになる、とこの本では説明しています。
また、次のキーワードも重要なポイントとして著者は指摘しています。
◆ 頭を使うことに、指先を含めた体の運動が加わると認知機能の低下を予防
◆ 自己肯定感
◆ ボランティアや地域活動
この本の最後で著者は、「老化を受け入れ、生活を工夫する」ことを提言しています。メモを取る習慣は生活するための保険になり、「回想法」という昔を振り返る行為は前頭葉が活性化して認知機能に好影響を及ぼすと、米国のロバートバトラーの説を紹介しています。
あなたも本書を読んで、最新医学で分かってきた知見も含めた「認知症にならない人の生活習慣」を確認し、脳を元気にする方法を実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!