書評ブログ

ひすいこたろう『起こることは全部マル!』(ヒカルランド)

ひすいこたろう氏は、天才コピーライターの異名を持つ、現代の伝道師だ。『あした死ぬかもよ?』 (ディスカヴァー21)を読んで感銘を受け、このブログで採り上げたのが、ひすい氏の著書とわたしとの出会いだ。

 

ひすい氏の書く言葉には、心に響くパワーがあり、私は大きな気付きを何度も経験している。本書は、22世紀的 「人生攻略本」 と銘打って、3時間で新しい自分になれるワークブックだとしている。

 

本書の共著者である、はせくらみゆき さんは、画家兼作家で、経済からダイエット、宇宙科学まで網羅する幅広い著作を始め、絵画、音楽、教育、女優業までこなすマルチな活動をこなす。

 

はせくら さんは、2004年には全米屈指の芸術祭にて入選、魂を揺さぶる絵として作品は国内外で高く評価されている。多彩な活動から 「ミラクル・アーティスト」 と呼ばれている。

 

今回は、コピーライター ひすいこたろう氏との共著が実現したが、本書の骨格は殆ど、はせくら さんが打ち合わせの直前に、瞬間的に思い付いて本が出来上がってしまったという。

 

本書は「22世紀的人生攻略本」としていて、①過去、②現在、③未来の関係を、従来の常識とは違った捉え方をするところから始まっている。

 

通常の捉え方は以下の式だろう。

 

< 過去 + 現在 = 未来 >

 

しかしながら本書では、以下のように定義して考えるべきだと説いている。

 

< 過去 + 未来 = 現在 >

 

つまり現在の中に過去も未来もある、ということだ。どんな過去であれ、過去はこれでよかったんだと受け入れることで、過去を味方につけ、ときめく未来にフォーカスすることで、未来を味方にできる。

 

すると、過去から、未来から、今ここである 「現在」 に向けて 「風」 が流れてくる。逆に言えば、現在を変えることで未来は変わり、わだかまりなどの過去への認識も変えることができる。

 

自然界を見ること。自然界はがんばっているわけではなく、ただ宇宙に流れるリズム (風) に乗っているだけだ。私たちは、過去を悔やみ、未来に不安を抱くことで、逆に 「現在」 のエネルギーを減らしてしまっている。

 

過去の出来事はすべていいことで、そういう心の持ち方をすることで、現在の行動が変化し、未来が変わって行く。未来も不安を抱くのではなく、ワクワクすることで、人生の次のステージへ自然と導かれていく。

 

過去から応援された 「現在」、未来から応援された 「現在」 ということだ。では、本書の構成を紹介しよう。以下の7部構成となっている。

 

1.過去 (悩み) を受け入れる
2.現在、いま、ここを味わおう
3.「未来」 にときめく
4.LOVE
5.LAST MESSAGE
6.あとがき ー ひすい こたろう
7.あとがき ー はせくら みゆき

 

本書には、ミラクル・アーティスト 「はせくら みゆき」 さんの心に響く言葉が随所に出てくる。人生に対する考え方、生きていく指針を決めていくときに、心が前向きになる考え方で、とても感銘を受けた。以下に紹介したい。

 

1.すべての出来事は、あなたを高めるためにやってくる
2.悩みの背後には 「希望」 がある (「いかなる絶望にも希望がある」 by  ヴィクトール・エミール・フランクル )
3.この傷みを通して、どれだけ愛を深めていけるか
4.問題そのものにフォーカスし過ぎるのではなく、この問題を通して何を学び、どうなりたいかをイメージしよう
5.悩みが消えないときは開き直りましょう、「悩んでますけど、何か?」 って

 

6.人間は、①顕在意識、②潜在意識、③超意識、の3層の心から成っている、それが 「いのち」 だ
7.顕在意識は心のわずか3%、潜在意識と超意識が97%で、悩みなんてわずか3%部分の顕在意識の話
8.山より大きなイノシシは出ないように、自分にとって乗り越えられない出来事は起こらない
9.起こることは起こるし、なるものはなる、起こったものは全部マル!
10.ひずみが起こるのは進化の証

 

11.もっと素直に心の奥の望みに従って、魂の喜ぶことをしよう!
12.心がもつエネルギーには法則がある、それは心がそうだと決めたものは 「膨らんでいく」 という法則
13.日々の何気ない中にも幸せがいっぱい広がっている
14.私たちは 「思い込み」 (信念) というメガネで 「現実」 を見ている
15.より自由にラクに生きたいなら、無意識の中にある自分の 「思い込み」 (信念) に気づく必要がある

 

16.「気づく」 ということは、とても素晴らしい錬金術
17.あなたとは、肉体ではなく、感情でもなく、思考や信念でもなく、あなたを通して起こる出来事でもない
18.あなたとは、あなたの心と体と出来事を通して、それらすべてを観察している意識そのものだ
19.あなたは、すべてを見ている意識そのもの、大いなる 「いのち」 そのものである
20.「いのち」 が体に入って、すべてを観察して遊んでいること、私の正体は 「意識」 である

 

つまり、私たちが余計なこだわりや思い込みを手放し、素直でありのままの自分を取り戻すたびに、宇宙の叡智があなたの中に流れ込み、ますますラッキーで素晴らしい人生が展開されていく、というしくみになっている。

 

はせくら みゆき さんは、キャッチ・コピーや短いフレーズの天才だ。切れ味鋭く、私も心にとめて、つぶやきたい言葉が以下のフレーズだ。

 

1.夢は叶えるものじゃなくて、叶うもの
2.「なる」 っていうものではなくて、「ある」 もの
3.すべてはアッサリ、うまくいく
4.私、夢に執着しちゃってますけど、それが何か?
5.「なるようになりますように」、「すべて内なる叡智にゆだねます」

 

とても心がラクになる言葉で、つねに使っていたい。さらに、はせくら さんの珠玉の言葉を続けたい。

 

1.大切なのは確たる想い、すでに叶っている未来から行動すること
2.すべては必要、必然、ベスト!
3.すべては、希望へと続く道
4.やりたいことだけをするのではなく、やるべきことを好きになる自分でいる
5.あなたが与えるものが、あなたが受け取るものだ

 

本書では、このあとでLas Message やふたりの著者のあとがき、参考文献と続いているが、読んでのお楽しみとしておこう。人生を前向きに進んでいきたい人にはぜひ、読んでもらいたい一冊だ。

 

11月3日の本ブログで紹介した、さとう みつろう 著 『神さまとのおしゃべり』 (ワニブックス)で書かれていた教えとも共通する部分が多い本書を、多くのチャレンジする方々に推薦したい。