幕末から明治期に「サムライたち」が近代化に挑戦した23の産業遺産が一括して世界遺産に登録され、8県にまたがる遺産を、日本経済の発展とモノづくりの原点になったことを分析・紹介している本があります。
本日紹介するのは、日本経済新聞社の記者、編集委員を歴任した後。テレビ東京で「ワールドビジネスサテライト」のキャスターを務め、現在は経済評論家、大阪経済大学客員教授の岡田晃さんが書いた、こちらの書籍です。
岡田晃『明治日本の産業革命遺産 ラストサムライの挑戦! 技術立国ニッポンはここから始まった』(集英社)
この本は、2015年7月に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」について、日本の近代化の足跡を示す産業施設や史跡群を紹介し、日本のモノづくりの原点になっていることを解説している書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.明治150年が教える「日本の底力」
2.「西郷どん」や「五代様」を育てた薩摩藩主・島津斉彬の挑戦ーピンチをチャンスに変えたリーダー
3.志士の息吹を今に伝える長州・萩ー吉田松陰から伊藤博文へ
4.実は近代化のトップランナーだった佐賀ー「地方創生」の先駆け
5.知られざる「近代化の父」江戸英龍ー改革に命を捧げた伊豆の代官
6.陰のプロデューサー、トーマス・グラバーー「近代化特区」となった長崎
7.長崎から世界へー造船大国ニッポンの船出
8.反射炉から釜石、そして八幡へー産業革命の主役「鉄」
9.産業革命のエネルギーを支えた石炭産業ー育ての親・團琢磨
10.日本経済の再生に向けて
この本では、著者の岡田さんが、世界遺産となった全23資産を訪ね、日本の近代化の軌跡をたどっています。
これら23施設は、お互いに異なる時期にわたって人的にも技術的にもつながりを持っていたことがわかります。
反射炉の技術では、佐賀藩と伊豆の代官・江戸英龍が協力し合って研究が始まり、佐賀から薩摩へ、さらに水戸藩を中継して釜石での日本初の洋式高炉となって結実しました。
また、造船でも人的交流と技術の伝播は見られ、長崎海運伝習所の開設から、ここで学んだ薩摩藩士・五代友厚が小菅修船所を建設、同じく佐賀藩士・佐野常民は三重津海軍所の責任者となって、いずれも日本の造船業の基礎づくりを行いました。
そして、この本の最後には、日本経済再生の3つのヒントが以下のように述べられています。
1.これら世界遺産が示すように、モノづくりの技術をもっと磨き、日本ならではの力を発揮する
2.ピンチはチャンスに変えられる
3.先人たちが幾多の困難を乗り越え、新しい時代を作り上げたチャレンジ精神
あなたも本書を読んで、明治日本の産業革命遺産に学び、技術立国ニッポンの原点を見直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を