高額の年俸と名声を得たピッチャーが、肩やひじを壊したときに何を思ったのか、手術・リハビリに耐えながら何を考えたのか、6人のプロ野球投手がどん底で見た風景を描いた本があります。
本日紹介するのは、立教大学4年時に東京六大学リーグ優勝を経験し、卒業後は、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経てフリーランスになった元永知宏さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
元永知宏『どん底:一流投手がリハビリで見たもの』(河出書房新社)
この本は、日本のプロ野球界で、投げることを奪われた6人の投手の告白を記した書です。
本書は採り上げた6人ごとに、以下の6部構成になっています。
1.森慎二 メジャーを目指した男の夢が消えた1球
2.石井弘寿 WBC日本代表の苦悩
3.斉藤和巳 沢村賞投手の最後の6年
4.川崎憲次郎 FA移籍後のつらすぎる4年間
5.野村弘樹 ひじを痛めて引退した101勝サウスポー
6.西本聖 脊椎の手術からの奇跡の復活
この本で取り上げられた6人はいずれもピッチャーで、現役時代に一度はエースなどチーム内で中心的な役割を果たす活躍をしていた選手です。
しなしながら、多くの投手に見られる怪我に見舞われ、投げることもかなわなくなった経験を持つという点で、この6名は共通しています。
手術をしたり、懸命のリハビリをして復活を果たした投手もいます。
そうした投げられなくなった苦悩を、具体的な試合成績なども掲載しながら、選手の気持ちに寄り添い、細かく描いているのが本書の特徴です。
著者の元永さんは、野球と暴力の関係を赤裸々に描いた著作もあり、プロ野球の明るく脚光を浴びる面だけではない、影の部分も描き出しています。
この本の最後で著者は、肩の強さには次の2種類がある、と指摘しています。
◆ 速いボールを投げる強さ
◆ 壊れない強さ(頑丈さ)
そして、「ピッチャーが肩やひじを痛めないで投げることはできるのか?」という問いを、著者は投げかけています。
西本投手は「大事なことは、正しい投げ方を身につけること」と述べています。
ただ、正しい投げ方を身につけるためには投げるしかない。50球や100球を投げたところで、故障しない正しいピッチングフォームは手に入らない、とこの本では指摘しています。
また、川崎投手は「より高いレベルで戦うにあたって、故障しないというのは無理」と言っています。
この本で取り上げられた6人の投手は、身をもってその難しさを知り、過酷過ぎる経験をしています。
それぞれの詳しい体験談や心の葛藤については、ぜひ本を手に取ってお読みください。
あなたも本書を読んで、かつてのスター投手たちが、どん底で何を考え、どう苦悩していたのかを知り、そこから何かを学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を