「日本の介護保険制度や地域ケアシステムなど様々な高齢化への対応は現在世界から注目を集めています。」と述べて、高齢先端社会の日本の現状や課題について解説している本があります。
本日紹介するのは、神戸大学大学院人間発達環境学研究科・准教授の片桐恵子さんが書いた、こちらの書籍です。
片桐恵子『「サードエイジ」をどう生きるか シニアと拓く高齢先端社会』(東京大学出版会)
この本は、次の3つを目的として書かれています。
◆ 身の置き所がなく不如意に過ごしている退職シニアの人たちに、有意義な人生を送るための選択の可能性を示す
◆ 現役で働いている人に、将来を視野に入れて現在の働き方を一瞬立ち止まって考えてもらう
◆ これから日本の超高齢社会を生きていく若い人たちに、上の世代の人たちが抱えている問題を理解してもらう
本書は以下の5部構成から成っています。
1.サードエイジを生きる-社会参加からの出発
2.シニアと社会とのかかわり
3.サードエイジの学び
4.サードエイジの活躍の場
5.成熟した超高齢社会の実現に向けて-個人と社会の成熟の実現
この本の冒頭で著者は、前著『退職シニアと社会参加』(東京大学出版会)で提案した内容を再度、説明しています。
すなわち、何が今の日本の退職シニアの社会参加を難しくしているのかを解き明かし、どのようにしたら社会参加がしやすくなるのかを考察しています。
次に、社会参加、生産的活動、市民参加の3つに活動の場を拡げていくことの重要性を説き、新著の本書では、3つの活動の具体的内容と、現在のシニアの活動参加状況を分析しています。
例えば、以下のような社会的な活動について、統計の推移や他の先進国との比較などを提示しています。
◆ ボランティア活動
◆ 生涯学習
◆ 高齢者就労
◆ 政治参加
◆ その他市民参加
さらに、社会参加、生産的活動、市民参加の3つの活動を容易にする能力や経験を積む場として、どのような場があるのかを著者は提案しています。
次のようなテーマでの考察が記されていて、興味深く参考になります。
◆ 生涯学習
◆ 社会参加に関連する個人的要因
◆ グループへの参加
◆ コミュニケーション
◆ 企業市民-CSR戦略
続けてこの本では、生涯現役を目指す社会として、高齢者の継続就労をめぐる問題を解説しています。
具体的には、就労可能年齢の上昇や、継続就労の労働条件、企業の高齢者活用の本音、ダイバーシティ雇用環境の整備などについて述べられています。
本書の最後には、3つの活動に参加することによる、シニア自身のメリットが整理されています。とくに健康や生涯発達から見た効果は説得力があります。
あなたも本書を読んで、「サードエイジ」をどう生きるか、について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を