書評ブログ

『実践ポジティブ心理学 幸せのサイエンス』

「ポジティブ心理学は、それまでの臨床心理学が心の病に対処するためのものだったのに対して、普通の健康状態にある人が “ どうすればもっと幸せになれるか ” を追求する分野です。」と述べて、ポジティブ心理学重要なキーワードを中心に解説している本があります。

 

 

本日紹介するのは、キャノンに勤務後、米国へ留学して、ハーバード大学客員教授などを経て、現在は慶應義塾大学大学院教授工学博士前野隆司さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

前野隆司『実践ポジティブ心理学 幸せのサイエンス』(PHP新書)

 

 

この本は、「どうしたら幸せになれるのか」が科学的にわかってきたことを紹介し、以下のような「幸せな人」の特徴を、その理由と共に分かりやすく解説しています。

 

 

◆ 自己肯定感が高い

 

◆ 仕事のパフォーマンスが高い

 

◆ 目標が明確

 

◆ 利他的

 

◆ 楽観的

 

◆ 多様な友達がいる

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.ポジティブ心理学を知ろう

 

2.幸せのための条件とは?

 

3.いいストレスは幸せにつながる

 

4.日本人のためのポジティブ心理学

 

5.実践のためのハッピーエクササイズ

 

6.ポジティブ心理学をどう社会に生かしていくか

 

 

 

この本の冒頭で著者は、ポジティブ心理学「幸せの研究」と説明し、幸せに近い英単語として、WHO(世界保健機関)でも使われている「well-being (ウェルビーイング)」を紹介しています。

 

 

WHOでは、「well-being (ウェルビーイング)」を、身体的・精神的および社会的に良好な状態であって、単に病気ではないとか、虚弱ではない、ということではないとされています。

 

 

また、ポジティブ心理学を知るうえで重要なキーワードとして、以下の5つを挙げています。

 

 

◆ レジリエンス(回復力)

 

◆ フロー・ゾーン(非常に集中したパフォーマンスの高い幸せな状態)

 

◆ マインドフルネス(今ここに心を集中・瞑想)

 

◆ 楽観主義

 

◆ 幅広い人とのつながり(多様な友達)

 

 

 

さらに、ポジティブ心理学を語るうえで押さえておきたい重要な人物として次の6人を紹介しています。

 

 

1.エド・ディーナー

 

2.ダニエル・カーネマン

 

3.マーティン・セリグマン

 

4.イローナ・ボニウェル

 

5.バーバラ・フレドリクソン

 

6.ミハイ・チクセントミハイ

 

 

この中で、セリグマンが著書『ポジティブ心理学の挑戦』(ディスカヴァー・トウェンティワン)の中で提唱している、幸せのための5つの条件である「PERMA(パーマ)」を紹介・解説しています。以下の5条件です。

 

 

1.Positive Emotion (ポジティブ感情)

 

2.Engagement (エンゲージメント)

 

3.Relationships (関係性)

 

4.Meaning (意味・意義)

 

5.Achievement (達成)

 

 

Positive Emotion とは、前向きな感情やよいフィーリングのことです。Engagement は、何かに没頭して集中している状態。そして、Relationships は、周りの人々とつながっていること、Meaning は、人生の意味です。最後にAchievement は、何かを成し遂げること。

 

 

これらが幸せと結びつくことは異論がないでしょう。

 

 

続けて本書では、幸せだと寿命が延びることにも触れています。また、いいストレスは幸せにつながることを解説しています。

 

 

 

この本の中盤では、日本人のためのポジティブ心理学として、著者の研究や科学的分析の結果、幸せの条件として、次の4つの因子結論として提示しています。

 

 

1.「やってみよう!」因子 (自己実現と成長の因子)

 

2.「ありがとう!」因子 (つながりと感謝の因子)

 

3.「なんとかなる!」因子 (前向きと楽観の因子)

 

4.「ありのままに!」因子 (独立とあなたらしさの因子)

 

 

この後に本書では、「幸福因子分析のための29項目アンケート」「自分の幸福度テスト」などが紹介されています。

 

 

そして、ポジティブ心理学の知識を実践に移すためのエクササイズとして、毎晩寝る前に、その日にあった「3つの良いこと」を書き出し、それを1週間続ける方法を提言しています。

 

 

このエクササイズワークショップとして行うことも説明されていて、グループ以下の6つのルール留意点として守るよう指導している、ということです。

 

 

1.ファシリテーターを置く

 

2.傾聴する

 

3.批判や評価をしない

 

4.ここだけの話にする

 

5.前向きな助言以外はしない

 

6.できれば3人1組で行う

 

 

この本の最後には、幸せと関係する事柄として、次のようなことまとめとして整理して述べられています。繰り返しになる点も多いのですが挙げておきます。

 

◆ 上を向く

◆ 親切にする

◆ 強みがある

◆ 人生の意味が明確である

◆ 自己実現している

 

◆ 自己肯定感が高い

◆ 成長を目指している

◆ 目指せる目標を持っている

◆ 希望を持っている

◆ モチベーションが高い

 

◆ 感謝している

◆ ユーモアのセンスがある

◆ 笑顔でいる

◆ マインドフルネスでいる

◆ 多様な友人がいる

 

◆ 弱いつながりがある

◆ 楽観的である

◆ 心配事がない

◆ 自己受容できている

◆ 人の目を気にしすぎない

 

◆ 最善を目指しすぎない

◆ 自己概念が明確である

◆ 健康である

◆ 安全な環境にいる

◆ 十分な地位財(金、モノ、地位)を得ている

◆ 物的な消費よりも体験的な消費を優先する

 

 

最後に、アメリカでは「社員を幸せにしておくと生産性や創造性が上がる」という研究に基づき、「幸せな経営」を取り入れつつあります。

 

 

またこの本には巻末に、参考文献が掲載され、以下の本はお薦めです。

 

 

 

 

 

 

あなたも本書を読んで、幸せについて考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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