世界中の街で快進撃を続けるスターバックスに10年間も距離を置いて、ついにスタバ・デビューを果たした著者が語る「スタバが怖い」という、マーケティングの真髄を書いた本があります。
本日紹介するのは、編集者でライター、小説家でもある錦野宇志郎さんとスターバックス研究会議が書いた、こちらの書籍です。
錦野宇志郎・スターバックス研究会議『「スタバが怖い!」がわからない人はマーケッターをやめなさい!!』(秀和システム)
この本は、「スタバが怖い」をよくわかっていない人は、現在~数年後のマーケティング界において、まず間違いなく後れを取るはめになる、と指摘しています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.スタバのイメージは「怖い」
2.なぜ「スタバが怖い」と思うのか?
3.注文方法が怖い
4.店の雰囲気が「意識髙い系」で怖い
5.店員の過剰なホスピタリティが怖い
6.それでもスタバが怖ければ
7.スタバ以外のカフェに行ってみると・・・
この本の冒頭で著者は、「スタバはどんなイメージか?」について、次のような多数の意見を紹介しています。
◆ 店がオシャレ
◆ 店に来る客も皆オシャレ
◆ 客は皆、豆の産地や挽き方などコーヒーに詳しく味の違いもわかる
◆ 客は皆、MacのノートPCを使っている
◆ 注文方法がやたらと難しい
◆ 値段が高い
◆ 店員のテンションがやたらと高い
こうしたイメージが定着していて、熱狂的なスタバ愛好者の間では、「お茶する=スタバに行く」になっている、と本書では指摘しています。
また、スタバは「イケてる自分」をアピールする場所になっていて、SNSへの投稿で繰り返しアピールすることに、いずれ疲れてしまい、自分が等身大で安らげる店を目指すようになる、と著者は述べています。
さらに、この本では、スタバが怖い要因として、別のさまざまな角度から、次のような分析をしていて興味深く感じます。
◆ 未知への恐怖と今さら感
◆ 「普通」ができないことの劣等感
◆ 喫煙者には店側から「選ばれない」怖さ
◆ スタバがマクドナルド化して怖い
◆ 新規客を怖がらせる「常連」という名の「壁」
◆ メニューを読む時間が無い怖さ
◆ やたらと長い、聞きなれない「呪文」
また、本書の中で面白い分析として、「リア充アピール」と「意識髙い系」の違い、があります。
似たようなニュアンスで捉えている人が多いかも知れませんが、著者によれば、二つは「以って非なるもの」だそうです。
まず「リア充アピール」は、自分の人生が実際よりも充実しているように見せる行為ですが、自分への他者の評価が、自分の求めるレベルに達していないことを自覚している人たちです。
つまり、自分に他人から認められる実力がないことを自覚し、わきまえています。
一方で、「意識髙い系」は、意識だけが高くて中味が伴わない人で、自分が本当に「優れた」あるいは「特別な」人間であると確信している人です。
自意識が過剰で、理想と現実の区別がつかなくなっていて、実力がないという自覚がない分だけ、タチが悪いと言うか、救いようがありません。
まあ、どちらにしても中味や実力がないので同じこと、と言い放ってしまう人もいますが。本書では、この二つのタイプは、殆どが学生と若い社会人だと言います。
本書の最後には、スタバでの自己アピールに疲れた人が向かう、日本のカフェ・チェーン店について、その特徴を記しています。以下のように紹介されています。
1.コメダ珈琲~食べ物と実実感で客を呼ぶ~
2.ドトール~喫煙者のたまり場で「白ドトール」の愛称~
3.星乃珈琲店~大人が集まる喫茶店~
4.上島珈琲店~「系」でない意識の高い人が訪れる~
本書の結論は、「スタバが怖い」という感覚が、スタバでの自己アピールに疲れた人たちを、別のカフェに向かわせる、日本のカフェ・チェーンの新たな挑戦に注目せよ、ということです。
あなたも本書を読んで、カフェの未来像とマーケティングの真髄を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を