安河内哲也氏は、急成長する大学受験予備校・東進ハイスクールの人気英語講師で、社会人のTOEIC対策指導にも定評がある。
本書は、27万部のベストセラーとなった安河内氏の著書 『できる人の勉強法』 (中経出版)の第2弾で、英語の習得に特化して書かれた本だ。前作は資格取得や試験合格に焦点を当てていたが、本書はより本質的に英語習得について述べている。
安河内氏の持論は、「語学をマスターするには体も使え!」 ということだ。英語は 「学問」 ではなくて、「技術」 だということだ。したがって、学ぶというよりは訓練やトレーニングによって英語は身につくという考え方で私も同感だ。
同時通訳の神様と呼ばれた国弘正雄氏と同様に、英語の 「音読」 を安河内氏も強く薦めている。読む、書く、話す、聞くのすべてで、音読こそが上達のカギだ。
最低限のルールとして、英文法も覚えねばならないが、著者は以下のステップで習得するよう提唱している。
1.知識の吸収
2.例文等の音読
3.例文等の暗唱
4.実践練習
つまり、知識の吸収は最低限、必要だが、あとは音読を中心とする実践訓練あるのみだ。リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つの技能は脳のニューロンのように互いに繋がっていて、音読によってすべてのスキルが磨かれる。
また、多くの英語学習者が挫折する単語の暗記については、単語はネットワーク化して覚えよ、と説いていて、単語カードを3つの山に分けて繰り返し覚えるなどの具体的方法も指南している。
英語学習に行き詰ったり、努力の割にTOEICスコアが伸びないなどの悩みを持つ英語学習者にはぜひ本書を推薦したい。