最新科学が解き明かす「脳と心のしくみ」を解説している本があります。
本日紹介するのは、東京大学・大学院にて薬学博士号を取得した池谷裕二さんが書いた、こちらの書です。
池谷裕二『大人のための図鑑 脳と心のしくみ』(新星出版社)
この本は、脳を知るための大きく3つのベクトルについて書いた書です。
1.理工学的探究心(脳の構造や動作原理を知りたい)
2.心理学的探究心(心がどう機能しているかを知りたい)
3.医薬学的探究心(病気を治したい)
この図鑑では、そうした「脳を知りたい」という幅広いニーズに応えるために以下の2つの工夫をしています。
◆ 脳研究の分野をできるだけ万遍なくカバーしつつ、最先端の知見を積極的に盛り込む
◆ イラストを多用することで、「見て」分かることを重視する
脳は、顕微鏡で覗けば、化学反応を連鎖するだけの単なる分子機械ですが、そんな「脳」がなぜ科学という学問体系を構築できるのか、この本ではそんな謎にも迫っていきます。
本書は以下の9部構成から成っています。
1.ここまで見えてきた脳
2.脳研究から見た自我や意識の正体とは?
3.脳の機能を知る
4.心の一生
5.脳と心の不思議
6.脳と心の病気
7.未来の脳と心
8.脳と心を探る歴史
9.脳のポテンシャルを開拓し、次世代につなげる池谷脳開発プロジェクト
この本の冒頭で著者は、まず脳の基本的な構造と機能について解説しています。写真やイラストなどの画像をふんだんに活用して分かり易く説明しています。
そうした脳の基本を押さえたうえで、本書の核心と言うべき、「脳と心の関係」について、様々な角度から、世間で言われていることの真偽を、科学的に分かり易く解説しています。
本書を読み進めていくうちに、これまでバラバラだった脳に関する知識が整理されていくのが分かります。私の場合は以下の興味ある事項がスッキリ整理できました。
◆ 高齢期の老化のメカニズム
◆ バイリンガルと脳の関係
◆ 効果的な記憶術
◆ やる気スイッチを押すには?
◆ 脳は一生成長する?
◆ 臨死体験の正体とは?
◆ 夢を見るのはなぜ?
◆ 脳はウソをつく?
◆ 「体で覚える」学習のしくみ
◆ ギャンブルはやめられない?
◆ 脳は10%しか使われていない?
◆ 疲れは脳で感じる
また、この図鑑の後半には、「脳と心の病気」について、豊富な画像を用いてそのメカニズムが解説されていて参考になります。以下の病気について理解が深まるので有益です。
◆ 脳腫瘍
◆ 脳血管障害(脳卒中)
◆ 認知症
◆ てんかん
◆ パーキンソン病
◆ 統合失調症
◆ うつ病
◆ パニック障害
◆ 睡眠障害
◆ 摂食障害
◆ PTSD(心的外傷後ストレス障害)
◆ 自閉症スペクトラム障害
◆ ADHD(注意欠陥多動性障害)
◆ 学習障害(LD)
◆ 髄膜炎
◆ 感染症
◆ 依存症
また本書の最後では、「未来の脳と心」と題して、今後の脳科学の方向性について展望が記されています。次のような項目が注目されます。
◆ 心を読むマインドリーディング
◆ 夢で見たものを予測
◆ ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)
◆ ニューロリハビリテーション
◆ iPS細胞(人工多能性幹細胞)による再生医療で蘇る脳
◆ 脳をネットワークでつなぐ
◆ ロボットと人工知能
◆ 脳型コンピュータ
◆ ディープラーニングと人工知能
あなたもこの図鑑を読んで、最新科学が解き明かす、「脳と心のしくみ」について、学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を