『劣化するオッサン社会の処方箋』

2018.10.27 (土)

50代・60代のオジサンがここまで劣化してしまったのは、「大きなモノガタリ」の喪失以前に社会適応してしまった「最後の世代」だからだと指摘している本があります。

 

 

本日紹介するのは、慶応義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了の後、電通、ボストン・コンサルティング・グループを経て、コーン・フェリー・ヘイグループに参画した山口周さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

山口周『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか 』(光文社新書)

 

 

この本は、70年代に絶滅した「教養世代」と、90年代以降に勃興した「実学世代」のはざまに発生した「知的真空の時代」に若手時代を過ごしてしまった、現在50代・60代となっているオッサンたちが、「新しいモノガタリ」である苛酷なグローバル資本主義の中で劣化し、社会の役に立たなくなって、ストレスを爆発させている現状を分析している書です。

 

 

 

またこの本では、「オッサン」を、単に年代や性別という人口動態的な要素ではなく、次のようなある種の行動様式・思考様式を持った「特定の人物像」として定義しています。

 

 

◆ 古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する

 

◆ 過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない

 

◆ 階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る

 

◆ よそ者や異質なものに不寛容で排他的

 

 

 

本書は以下の10部構成からなっています。

 

 

1.本書におけるオッサンの定義

 

2.なぜオッサンは劣化したのかー失われた「大きなモノガタリ」

 

3.劣化は必然

 

4.中堅・若手がオッサンに対抗する武器

 

5.実は優しくない日本企業ー人生100年時代を幸福に生きるために1.本書におけるオッサンの定義

 

 

6.なぜ年長者は敬われるようになったのか

 

7.サーバントリーダーシップー「支配型リーダーシップ」からの脱却

 

8.学び続ける上で重要なのは「経験の質」

 

9.セカンドステージでの挑戦と失敗の重要性

 

10.本書のまとめ

 

 

 

この本の冒頭で著者は、劣化した現在のオッサンたち(50代・60代の人々)は、バブル景気の社会システム幻想(=「会社や社会が示すシステムに乗っかってさえいれば豊かで幸せな人生が送れる」という幻想)のなかで過ごしてきた、と述べています。

 

 

 

次に、アート(教養)、サイエンス(実学)、クラフト(経験・知識をもとにした実行力)のバランスが重要で、オッサンたちはアートにもサイエンスにも弱い、と指摘しています。(山口周著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』

 

 

 

また、組織トップが構造的・宿命的に劣化するメカニズムを以下のように著者は説明しています。

 

 

◆ 一流の人は少なく、次いで二流の人、さらに三流の人が圧倒的多数

 

◆ 一流の人はそもそも自分や他人が何流かに興味がない

 

◆ 二流の人は自分が二流で、誰が一流かを知っている

 

◆ 三流の人は、周りにいる二流の人を一流と勘違いして支持する

 

◆ 二流の権力者は一流を抹殺し、三流の人間を重用し、後継者にする

 

◆ 二流の権力者と三流が脇を固める一方で、評価されない一流と二流が燻って、会社の外でクレーマーとなり鬱憤を晴らす

 

◆ 組織の劣化は不可逆的なエントロピー(乱雑さの度合い)増大のプロセス

 

 

 

続いて、こうした劣化をガラガラポンするには、80年に一度の革命的変化しかなく、明治維新から80年後の太平洋戦争、そしてその80年後の2025年が、次の大きな変革期になる、と本書では予測しています。

 

 

 

そして、中堅・若手がオッサンに対抗する武器として、次の2つを著者は挙げています。

 

 

◆ オピニオン: おかしいと思うことはおかしいと意見をする

 

◆ エグジット: 権力者の影響下から脱出する

 

 

 

こうした武器を発揮するには、キャリアを危うくするのを防ぐ手立てが必要で、それは「人的資本」(=汎用性の高いスキルや知識)社会資本(=信用や評判)を兼ね備えて、モビリティ(=どんな場所でも生きていける、今いる場所をいつでも出ていける状態)を高めることしかありません。

 

 

この「モビリティが高い」ということは、場所によって自分の正味現在価値が変わらないということで、逆に「モビリティが低い」とは、スキルや知識の文脈依存度が高く、場所によって大きく自分の正味現在価値が変わってしまうことを意味します。

 

 

 

この本の後半では、若手がリーダーシップを発揮するには、オッサンたちが「サーバントリーダーシップ」を発揮することにかかっている、と指摘しています。

 

 

サーバントリーダーシップの本質は「支援」であり、グリーンリーフの著書大隈重信の南極探検への支援東海道新幹線の開発における十河・国鉄総裁(当時)の支援の事例が紹介されています。

 

 

 

その他、この本では、以下のような重要なコンセプトが紹介・解説されていて興味深く読むことが出来ます。

 

 

◆ 人間の成長は学習という概念と深く関わり、学習は「経験の質」に関わる

 

◆ 「経験の多様性」が良質な体験をもたらし、学習を駆動する

 

◆ クリエイティブなシニアは挑戦し続けている

 

◆ 挑戦するとは、何かを止めること

 

◆ つねに「人生のアジェンダ」を明確に設定し、それをクリアするために日々、学習を続ける

 

 

◆ 情報の普遍化により、権力の弱体化が起こっている

 

◆ 若者層の中で「本を読まない人」があまりにも多い

 

◆ 若年期(セカンドステージ=25~50歳)のちょっとした「発射角度の違い」が、数十年後に到達できる人生の高度を大きく左右する

 

◆ 学びの密度を上げる

 

◆ 学習とは変化すること

 

 

◆ セカンドステージにおける学びの量は失敗の回数にそのまま正相関する

 

◆ 逃げる勇気、負けない技術を持つ

 

◆ 美意識と知的戦闘力を高めて、モビリティを獲得する

 

◆ 人の信用は、ストレスのかかる状況下で、どのような判断や言動をとるか、ということ

 

◆ 「学ぶ」と「働く」がパラレルに動く人生モデルが主流になっていく

 

 

 

この本の最初と最後で著者は、米国の詩人・サミュエル・ウルマンの「青春」を以下の通り、引用して紹介しています。

 

 

「青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心のありさまを言う。

 

優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯えをしりぞける勇気、安易を振り捨てる冒険心、これを青春と言う。

 

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて人は老いる。」

 

 

 

著者の山口周さんが最後に提示している最もシンプルかつ重要な「劣化するオッサン社会の処方箋」は、私たちの一人ひとりが、謙虚な気持ちで新しいモノゴトを積極的に学び続ける、ということです。

 

 

あなたも本書を読んで、「劣化するオッサン社会の処方箋」をともに考えてみませんか。

 

 

 

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