『コロナが加速する格差消費 分断される階層の真実』

2020.06.27 (土)

コロナが可視化した職業格差、身分の差を取り上げ、中流の条件、格差問題、単身者の暮らしなどを詳しく分析し、分断される階層の真実を解き明かしている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1958年生まれ、パルコに入社し、三菱総合研究所を経て、1999年にカルチャースタディーズ研究所を設立消費社会研究家として消費・都市・社会を予測、大手企業や都市・住宅政策などへの助言を行っている三浦展さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

三浦展『コロナが加速する格差消費 分断される階層の真実』(朝日新書)

 

 

この本は、著者のベストセラー『下流社会』(光文社新書)から15年を経て、格差が拡大、激しく二極化し、コロナがそれを加速している現状を分析し、「分断日本」のコロナ後を予測している書です。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.ポスト・コロナ時代の格差と消費 ~何が問題で、どう変わるのか

 

2.上・中・下流の条件~氷河期時代の階層と消費 ~氷河期時代の階層と消費

 

3.「さとり」は嘘。金と地位の上昇を希望 ~平成世代・氷河期世代・バブル世代の比較

 

4.余暇、美容・健康、情報の格差 ~平成時代の階層と消費

 

5.ケア消費の拡大 ~単身世帯消費・平成20年間の変化

 

6.あとがきにかえて 予測と提言~消費と都市の観点から

 

 

 

この本の冒頭で著者は、コロナを機に、日本人は(あるいは世界中の人々が)、以下の3つにはっきりと分かれているという事実が改めて判明した、と指摘しています。

 

 

1.何があっても安心して中流でいられる人

 

2.雇用は守られるが売り上げ・収入が落ちて不安な人

 

3.一気に中流から落ちて(そもそも中流ではなくて)ものすごく不安な人

 

 

 

続いて、新型コロナのパンデミック現象は、日本経済、日本人の生活と消費にも大きな影響を与えたし、今後も完全な終息がないとすれば、ますます影響を与えるだろう、と著者は述べています。

 

 

 

具体的には、バブル崩壊以降は、モノ消費からコト消費(飲食・サービス業)へ移行し、コト消費はもの消費に比べて階層格差が激しい、と著者は指摘しています。

 

 

 

さらに、シェアオフィスシェアハウスなど、人との交流に価値を見いだす「ヒト消費」という流れが起こり、これを著者の三浦さんは「第四の消費」の名付けていましたが、それを新型コロナウイルス感染症が直撃している、ということです。

 

 

 

そうしたリスク社会における消費の特徴として、本書では以下のポイントを挙げて説明しています。

 

 

◆ 健康格差・ケア格差が拡大する

 

◆ 予防的消費(健康食品、ヨガ・スポーツ関連、マッサージなど)

 

◆ 治療的消費(医薬品、医療器具、医療サービスなど)

 

◆ 低次のニーズ(食品・日用品)と高次のニーズ(健康寿命を延ばすなど生命の質を高める)

 

◆ 命を守る分野の経済的価値の高さ

 

 

 

さらにこの本では、リスクから見た世代論の基本として、次の通り「15年周期の世代論」を提唱しています。

 

 

◆ 昭和ヒトケタ世代: 1933年生まれ中心 ~戦後復興、高度成長を支える

 

◆ 団塊世代: 1948年生まれ中心 ~流行の担い手と石油ショック

 

◆ バブル世代(新人類世代): 1963年生まれ中心 ~都会育ちの消費好き、将来にリスクも

 

◆ 団塊ジュニア世代(氷河期世代): 1978年生まれ中心 ~正社員になれずパラサイト、ひきこもり、シングルマザー増加

 

◆ 平成世代: 1993年生まれ中心~ リスク社会であるという「あきらめ」、ゆとり、さとり

 

 

 

それぞれの世代の特徴は、著者による独自の仮説も興味深く解説されているので、興味ある方はぜひ、この本を手に取ってお読みください。

 

 

 

本書の中盤では、「上・中・下流の条件」を軸として、氷河期世代の階層と消費について、考察しています。ポイントは以下の通り。

 

 

◆ 今や日本では、「中流以上」と「中流未満」への二極化が起こっている

 

◆ 中流以上と感じる条件は、「年収600万円以上」「会社役員・代表」「金融資産2000万円以上」「公務員」など

 

◆ コロナが可視化した正規雇用と非正規雇用・自営業の格差

 

 

 

◆ 結婚格差と出産格差

 

◆ 下流はモノ志向、上流はコト志向

 

◆ 人々の消費意欲は、健康、衛生、保険などのリスク関連やケア関連に向かう

 

 

 

次に、平成世代を中心に、氷河期世代、バブル世代との比較をしながら階層と消費動向について分析・説明しています。ポイントは以下の通りです。

 

 

◆ 年収400万円以上が平成世代の中流の条件

 

◆ 公務員の8割が「中の中以上」という格差社会

 

◆ 最大のモノ消費である自動車・住宅については「中古」でいいというのが平成世代の価値観

 

 

 

◆ コト消費、サービス消費は年収が高い人ほどする

 

◆ 読書は格差がない

 

◆ 旅行格差、健康・美容格差、運動習慣格差は大きい

 

 

 

また、コラムとして「ヒト消費」について、リアル店舗の魅力を紹介しています。それは店主・店員の人間力で決まるとし、ヒトと場所の組み合わせ、店主のコミュニケーション力を要因として挙げています。

 

 

 

今、屋台や商店街、「昭和喫茶」などが人気になっており、埼玉県さいたま市のJR大宮駅前の大衆食堂や喫茶店事例として紹介されています。

 

 

 

まずは、大宮駅東口にある百貨店・高島屋裏にある「多万里食堂」で、味玉を絶賛しています。

 

 

 

そして、レトロな珈琲店「伯爵邸」がこちらです。食事メニューも充実していてカップルに人気。

 

 

 

 

本書の後半では、「ケア消費の拡大」について、単身世帯の消費変化を中心に考察されています。ポイントは以下の通り。

 

 

◆ 激増するシニア男性単身世帯は外食より中食

 

◆ 拡大するセルフケア消費(健康志向、ヘルスケア、ビューティーケア)

 

◆ 予防型ケア消費は過去20年間で倍増

 

 

 

この本の最後で著者は、消費と都市の観点から、次の3点の予測と提言を行っています。

 

 

1.「日本郊外改造計画」を進めよ!

 

2.寄生地主の権益を見直せ!

 

3.オンライン大学で格差をなくせ!

 

 

 

あなたも本書を読んで、コロナが拡大する書府格差分断される階層の実態について考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2434日目】

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