書評ブログ

『読む技術』を習得して成熟した読書人をめざそう!

ネット社会になって読書の世界は大きく変わりつつあります。そうした中で、「自分の読書生活をまっとうするために、今からやれることは何でしょうか」と呼びかける書があります。

 

 

本日紹介したいのは、筑波大学人間系教授で、言語教育学が専門で、日本読書学会会長塚田泰彦さんが書いた、こちらの書です。

 

 

塚田泰彦『読む技術:成熟した読書人を目指して』(創元社)

 

 

 

この本は、情報社会、ネット社会の中で、読書のあり方が変化してきていることに焦点を当てて考察しています。

 

 

本書で言う「読む技術」とは、「読もうとするための技術」のことで、この本はそういう立場で書かれています。本を読む能力があるのに本を読まない人のことを「不読者」と言います。

 

 

「文章を理解する能力」に問題を抱えているわけでもないのに「本を読まない」ということが、いま深刻な社会問題となっています。

 

 

これは、知識の有無の問題ではなく、知識を得ようとしたり、活用しようとしたりする意欲の問題であることは明らかです。意欲がなければ何事も始まらないのです。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.「読む」とはどういうことか

 

2.読書をいつ、どこで学んだか

 

3.自分の読書術をつくる

 

4.読書生活を生きる

 

5.ネット時代の読書術

 

 

 

本書の冒頭で著者は、読書には以下の「3つのタイプ」がある、としています。

 

 

1.娯楽のために行う読書

 

2.真理探究のために行う専門的な読書

 

3.実用目的で知識や情報を収集するための読書

 

 

本書では、どれからタイプを推奨する立場ではなく、それぞれのタイプの習慣化された読書スタイルや技術について、功罪や偏りを明らかにして、読むことが真に豊かになるための現代的な展望を切り拓くという意図を持っています。

 

 

 

次に著者の塚田さんは、「読むことの三段階」を以下のように紹介しています。

 

 

1.字面の読み

 

2.文章理解の読み

 

3.読書の読み

 

 

本書では当然ながら、上記の2と3、とくに3の「読書の読み」に重点を置いて解説しています。

 

 

 

そして1940年代から1950年代の読書科学を世界的にリードしたアメリカのグレイという人が、「グレイのモデル」と呼ばれる「読みの様相4区分」を提唱したことを紹介しています。以下の4区分です。

 

 

1.語の認知

 

2.理解

 

3.読み取ったことへの反応

 

4.新旧の考え方の統合

 

 

そして、グレイさんは、「成熟した読者」の条件として、以下の4つの内容と定義しています。

 

 

1.語句を速やかに正確に一つひとつ認知している

 

2.読んでいることの意味内容を明確に把握している

 

3.読んでいる内容に対して十分に反応している

 

4.先行する自分の経験と重ねながら読むことで、獲得したアイデアや考え方を統合することができる

 

 

 

そのほかにも著者は、「通読-精読-味読」という「三読法」を説明したり、「読解」と「読書」の二極分化を論じて、「批判的読書」について触れています。

 

 

さらに、読書と語彙の関係一冊の本を手にした時の読書技術読書履歴の整理読むことが習慣化する技術、読む本の選び方読書基地のマッピング(自分の読書空間)など、興味深いテーマを全て本書では論じています。

 

 

詳細はぜひ本書をお読みください。あなたも本書を読んで「読む技術」を理解して「成熟した読者」を目指してみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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