「これからずっと “ 食えるだけの仕事 ” でいいですか?」と問いかけ、孤独と貧困から自由になる「働き方の未来図」を示している書があります。
本日紹介するのは、ロンドン・ビジネススクール教授で、英タイムズ紙が選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとりに選ばれているリンダ・グラットンさんが書いた、こちらの書です。
リンダ・グラットン『ワーク・シフト-孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>』(プレジデント社)
この本は、「2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?」と問いかけ、「漠然と迎える未来」には孤独で貧困な人生が待ちうけ、「主体的に築く未来」には自由で創造的な人生がある、としています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.働き方の未来は今日始まる
2.なにが働き方の未来を変えるのか?
3.「漠然と迎える未来」の暗い現実
4.「主体的に築く未来」の明るい日々
5.働き方を<シフト>する
6.未来のために知っておくべきこと
まず本書の前半で著者は、現在進行中の世界の変化によって、私たちの働き方の未来が大きく変わっている、と指摘しています。
未来を形づくる5つの要因として、以下の5要因を挙げています。
1.テクノロジーの進化
2.グローバル化の進展
3.人口構成の変化と長寿化
4.社会の変化
5.エネルギー・環境問題の深刻化
これかの5つの要因は、社会の構造変化であり、それぞれが私たちの生活や働き方に影響を及ぼす計32の現象(要素)に分けることが出来ます。
社会の構造変化については、佐々木俊尚さんの『レイヤー化する世界ーテクノロジーとの共犯関係が始まる』(NHK出版新書)もお薦めです。
さて、未来を形づくる5つの要因の中で、著者のリンダ・グラットンさんは、以下のような現象(=要素)を指摘しています。
◆ テクノロジーが飛躍的に発展する
◆ 世界50億人(現在は70億人)がインターネットで結ばれる
◆ 地球上のいたるところで「クラウド」を利用できるようになる
◆ 生産性が向上し続ける
◆ 「ソーシャルな」参加が活発になる
◆ 知識のデジタル化が進む
◆ メガ企業とミニ起業家が台頭する
◆ バーチャル空間で働き、「アバター」を利用することが当たり前になる
◆ 「人工知能アシスタント」が普及する
◆ テクノロジーが人間の労働者に取って代わる
◆ 24時間・週7日休まないグローバルな世界が出現した
◆ 新興国が台頭した
◆ 中国とインドの経済が目覚しく成長した
◆ 倹約型イノベーションの道が開けた
◆ 新たな人材輩出大国が登場しつつある
◆ 世界中で都市化が進行する
◆ バブルの形成と崩壊が繰り返される
◆ 世界のさまざまな地域に貧困層が出現する
◆ Y世代の影響力が拡大する
◆ 寿命が長くなる
◆ ベビーブーム世代の一部が貧しい老後を迎える
◆ 国境を越えた移住が活発になる
◆ 家族のあり方が変わる
◆ 自分を見つめ直す人が増える
◆ 女性の力が強くなる
◆ バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える
◆ 大企業や政府に対する不信感が強まる
◆ 幸福感が弱まる
◆ 余暇時間が増える
◆ エネルギー価格が上昇する
◆ 環境上の惨事が原因で住居を追われる人が現れる
◆ 持続可能性を重んじる文化が形成されはじめる
以上のような現象が現れてくる中で、「自分の未来予想図」を描くことが重要です。あなた自身の未来ストーリーを描き出す、ということです。
この後本書では、「漠然と迎える未来」と「主体的に築く未来」とを対比して描いています。その上で、以下のように、働き方を<シフト>することを提唱しています。
1.第一のシフト; ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
2.第二のシフト; 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
3.第三のシフト; 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
これら3つの「ワーク・シフト」を、社会の構造変化に対応して行っていくことが、自由で創造的な人生という、明るい未来を築く道だ、というのが著者の結論です。
あなたも本書に学んで、「働き方の未来」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を