書評ブログ

『私の老後 私の年金 このままで大丈夫なの? 教えてください。』

「平均寿命どおりに生きれば、女性は最後は必ず『おひとり様』になります。」と述べて、 男性より少なくなりがちな女性のケースごとの年金額を算出し、投資などに頼らずに「公的年金」を増やす方法を伝授している本があります。

 

 

本日紹介するのは、徳島県生まれで、大学卒業後、出版社に勤務し、1997年にNEO企画を設立して出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出し、現在は、新聞・雑誌・Webなどで「お金」をテーマに幅広く執筆しているNEO企画代表、ファイナンシャルプランナー長尾義弘さんが書いた、こちらの書籍です。

 

長尾義弘『私の老後 私の年金このままで大丈夫なの? 教えてください。 』(河出書房新社)

 

 

この本は、すべての女性が幸せな老後を送るために「まずは、もらえる年金を知りましょう!」と呼びかけ、様々な女性の老後リスクへの対処法を解説している書です。

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

1.私の老後を安心して過ごすためには

2.14のケース別 私の年金シミュレーション

3.老後のお金は増やせる! 年金の活用法

4.損をしない年金の受け取り方

5.フリーランス、自営業の不安を解消

6.まだ遅くない! じぶん年金の賢い貯め方

 

 

この本の冒頭で著者は、女性の老後は男性に比べて、次の3つのリスクが大きいと述べています。

 

◆ 年金が比較的少ない

◆ 男性より長生き

◆ 健康寿命と寿命の差が大きい

 

 

本書の前半では、「私の老後を安心して過ごすためには」および14のケース別 私の年金シミュレーション」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 年金の受給額を増やすには、①給料を上げる、②長く働く、③繰下げ受給をする

◆ 70歳まで働くこと、年金の受給開始を70歳まで繰下げること

◆ イデコやつみたてNISAを活用する

◆ キャリアアップして正規雇用で給料を上げる

 

◆ フリーランスは国民年金基金と70歳まで繰下げ受給

◆ フリーランスは小規模企業共済の活用も

◆ 自営業夫婦は国民年金だけの弱点を補う対策として長く働き、年金を繰り下げ受給

◆ 介護離職は避け、介護保険の活用を

 

 

この本の中盤では、「老後のお金は増やせる! 年金の活用法」および損をしない年金の受け取り方」について解説しています。主なポイントは次の通り。

 

◆「ねんきん定期便」で将来の年金をチェック

◆ 年金保険料は、厚生年金は半分は会社が、国民年金は半分を国が払っている

◆ 年金はずっと肩車状態で支えている(就業者が非就業者を支える比率は変化しなし)

◆ 定年後も長く働けば、その分年金が増える

 

◆ 夫の死亡や障害で、遺族年金や障害年金が受け取れる

◆ 熟年離婚による年金分割もできる

◆ 育児休業を取っても年金は減らない

◆ 会社員は傷病手当金も受け取れる

 

 

本書の後半では、「フリーランス、自営業の不安を解消」およびまだ遅くない! じぶん年金の賢い貯め方」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 国民年金の任意加入で、基礎年金を増やす

◆ 付加年金は2年で元が取れるお得な制度

◆ 国民年金基金を使って、年金を2階建てにする

◆ 自分でつぃ職金を用意する小規模企業共済

◆ 雇用保険制度を使ってスキルアップできる

 

◆ イデコは貯めながら節税もできるお得な制度

◆ イデコで金融機関を選ぶときは、手数料に要注意

◆ NISAは税制優遇があり、いつでも引き出せる

◆ 正しい「貯め方」の公式は、収入ー貯蓄=生活費

◆ 長く働くためにはスキルを磨く

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「ロスジェネ世代と呼ばれる40歳前後の人たちが社会に出たころは、就職氷河期で、この世代は非正規社員の割合が高く、特に女性への影響は深刻です。」と述べています。

 

 

首都圏に住む34~49歳のうち、非正規雇用で働いている独身女性の約7割近くが年収250万円以下である、という調査もあります。

 

 

ロスジェネ世代は所得が低いせいで、結婚にも踏み切れない親と同居するケースも多く、「パラサイトシングル」と呼ばれている、と著者は言います。

 

 

この本で著者の長尾義弘さんが提唱しているのは、「長く働き、年金を繰り下げ受給する」という対策で、拙著『定年ひとり起業』および『定年ひとり起業マネー編』(ともに自由国民社)にて私が提唱していることとほぼ共通です。

 

 

 

わずかに違う点は、長尾さんの場合は会社に勤務する(定年再雇用など)ケースも取り上げていますが、私の場合は「定年ひとり起業」という、雇われない働き方を会社員に対しても提唱している点です。併せて読むと、より理解が深まり、選択肢をいろいろと考えられるでしょう。

 

 

あなたも本書を読んで、幸せな老後生活を送る準備をしていきませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2746日目】