「自分たちは、いったいどこへ向かっているのか?」「自分たちは、何のために活動しているのか?」と問いかけ、「正解がない時代の灯」にフォーカスしている本があります。
変化が激しく、未来が読めない時代。トップが決めたビジョンを掲げるだけでは、組織は動かない。では、どうすればメンバーが「一緒にそこへ向かいたい」と思えるのか。
本日紹介するのは、デザイン事務所で多くのプロダクトの企画・開発に携わった後、2011年に共創型サービスデザイン会社「グラグリッド」を設立、分野を問わず、さまざまな企業や自治体のビジョン策定、事業開発の現場に伴走してきたビジョンデザイナーの三澤直加さんが書いた、こちらの書籍です。
三澤直加『正解がない時代のビジョンのつくり方』(翔泳社)
「自分たちらしさ」から始めるチームビルディング。トップダウンではなく、共創によってビジョンをつくる方法を体系化した実践書です。
本書は、以下の8部構成から成っています。
1.なぜいま、ビジョンが大切なのか?
2.ステップ1 自分たちらしさを探索する
3.ステップ2 未来の社会像をイメージする
4.ステップ3 未来の自分たちの役割を見つける
5.ステップ4 未来の風景を描き出す
6.ステップ5 未来の自分たちを語り合う
7.ステップ6 試しながらアップデートする
8.共創する社会に向けて
本書の前半では、「なぜビジョンが機能しなくなるのか」という問題提起から始まります。とくに印象的なのは、「ビジョンは完成品ではなく、プロセスそのものが価値」という視点です。主なポイントは以下の通りです。
◆ 不明瞭なビジョンでは力は結集しない
◆ 多様化する価値観への対応
◆ トップダウン型の限界
◆ 共感が伴わない言葉の空洞化
◆ ビジョンは“つくる過程”が本質
この本の中盤では、6つのステップが具体的に解説されます。著者の強みである「ビジュアル思考」が随所に活かされ、図解やワークシートを用いて、抽象的な議論を具体化していきます。主なポイントは次の通り。
◆ 自分たちらしさの棚卸し
◆ 未来の社会像の可視化
◆ 組織の役割の再定義
◆ ビジュアルで未来を描く
◆ 対話による合意形成
本書の後半では、ビジョンを “固定化しない” 重要性が語られます。「試しながらアップデートする」という姿勢は、まさに正解がない時代の思考法。主なポイントは以下の通りです。
◆ 試行しながら更新する
◆ 共創型の組織文化づくり
◆ DXや新規事業への応用
◆ 組織の結束を自然に高める
◆ 社会との接続を意識する
この本の巻末には、「付録 ビジョンづくりの計画を立てる」が掲載されています。
私自身、組織づくりやブランド構築に関心を持ち続けていますが、本書は “理念を掲げる” 段階から一歩進み、“どう浸透させるか” に焦点を当てています。
ビジョンはスローガンではない。チームの未来の風景を、みんなで描くこと。マネジメント層、新規事業リーダー、DX推進担当、人事担当者など、組織の方向性を整えたい方に強くおすすめしたい一冊です。
チームビルディングやキャリア戦略については、YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも発信しています。ぜひチャンネル登録もお願いします。
では、今日もハッピーな1日を!【4018日目】