書評ブログ

澤田秀雄『運をつかむ技術』(小学館)

澤田秀雄氏は、格安航空券で一世を風靡した新興の旅行会社HIS(エイチ・アイ・エス)の創業者だ。澤田氏は新興企業を創業するベンチャー経営者の先駆けであり、多くのベンチャー経営者から師匠として慕われてきた。

 

 

澤田氏はさらに常識を打ち破るチャレンジャーとして、スカイマーク・エアラインズ(現スカイマーク)を設立して、新規参入は不可能と見られていた航空業界に殴り込みをかける。

 

 

ここでも低コストで業界にインパクトを与え、後に世界の航空業界は、LCC(格安航空会社)全盛の時代へと移行することになる。その先見性には脱帽する思いだ。

 

 

本書では、さらに請われて経営危機に喘ぐテーマパークのハウステンボスの社長として再生を託され、短期間で黒字転換を果たした経験が描かれている。澤田氏が打った数々の黒字化のための手も具体的に紹介されている。

 

 

澤田氏は、経営哲学として、「運」を重視する。事業とは、そもそも失敗の連続であり、そこから元気を失わずに新たなヒントを見つけ出す人こそが成功を掴むという。

 

 

天が運んでくる「天運」と、自ら運ぶ「運」があり、自らコントロールする「運」こそ大切だ。季節のように、それは定期的に巡ってくる。すなわち、それが「波動」というものだ。

 

 

時代を動かす大きな軸が、アメリカやヨーロッパからアジアにシフトし始めている。これも「波動」の一種だ。人間もまた生物である以上、波動から無縁でいることはできないのだ。

 

 

澤田氏がビジネスを進めていく上で、人とつき合っていく上で最も大切にしているのが「気」だ、という。明るい人は元気があり、やる気がある。そうした人を澤田氏は抜擢、起用するという。

 

 

事業を切り拓き、未知の世界を創造していける経営者の言葉は重い。全ての起業家、チャレンジする若者に本書をぜひ薦めたい。

 

 

 

 

2020年3月22日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第41回】カリスマ経営者が説く「運をつかむ技術」とは?、にて紹介しています。

 

 

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!